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2018年7月13日 (金)

【メタボの判定基準は?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

前回、メタボリックシンドローム(以下、メタボ)は肥満だけなく高血圧や高血糖、脂質代謝異常が組み合わさった状態で、その状態が長く続くと動脈硬化が進行し、心疾患や脳血管疾患などを引き起こす可能性があることを解説しました。今回は、メタボの判定基準について解説しますので、ご自身の健康診断の結果と照らし合わせながら確認していきましょう。

‐‐‐■メタボの判定基準(図1)‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
2005年に、メタボの判定基準は日本内科学会等内科系 8 学会が合同で策定しました。
メタボの判定には、「
腹囲(ウエスト周囲径)」、「トリグリセリド(中性脂肪)値」、「HDLコレステロール値」、「血圧(収縮期、拡張期)」、「空腹時血糖値」の項目を用います。

まず、腹囲は必須条件で、男性85cm、女性90cmを超えると内臓脂肪の蓄積が過剰とみなし、メタボ該当の第一条件を満たすことになります。
次に、腹囲の条件に該当した方の中で、血清脂質、血圧、血糖の3つの項目のうち2つ以上が基準値から外れていることで、メタボに該当となります。
なお、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール血症、高血圧、糖尿病をすでに発症しており、治療として服薬をしている場合は、数値に関わらず該当となります。

201807131‐‐‐■なぜ体重ではなく、腹囲で判定するのか‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
内臓脂肪面積がおよそ100cm2以上になると、動脈硬化やその他の疾患のリスクが上がることが報告されています。
内臓脂肪面積の正確な測定にはCTなどを用いる必要がありますが、現場で簡便に測定するのは不向きなため、内臓脂肪面積と相関のある腹囲を用いて測るようにしています。 
しかしながら、世界保健機関(WHO)の提示するメタボの国際的な基準では、男性84cm、女性80cmとしていて、男性の方が大きくなっていることもあり、今後さらなる研究によって、変化していくことも予測されます。

‐‐‐■該当する項目が多いと病気のリスクも高まる‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
メタボの判定基準となる①内臓脂肪の蓄積、②脂質異常、③高血圧、④高血糖の4項目は、該当する項目が多くなると、冠動脈疾患発症などの危険度が高くなるとされています。
4つの項目のうち1つも当てはまらない場合の冠動脈疾患を発症する危険性を1としたとき、4つのうちどれか1つでも当てはまる場合は約5倍、2つ当てはまる場合は約10倍となります。さらに、3つ以上当てはまる場合は、なんと約31倍も冠動脈疾患を発症する危険性があるとされています。
このことから、症状のない単なるメタボに該当するということだけでも、いかに健康上に大きな問題があるか改めて理解できたと思います。
なお、メタボでない状態でも、動脈硬化の危険は高まるため、1つも当てはまらないことが理想と言えるでしょう。

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‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
自分の結果を見返して当てはまる項目はいくつありましたか?
メタボに該当しない場合でも、1つ以上基準値から外れている項目があれば、病気のリスクは高い状態にあります。全ての項目が基準値内であったとしてもこれまでの数値と比較して悪化している項目があれば、今後メタボとなるリスクがありますので、要注意です。

内臓脂肪の蓄積は過食や運動不足が主な原因です。
バランスの良い食事、適度な運動を心がけて予防・改善をしていきましょう。

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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。

詳細なプロフィールはこちら

■協力:株式会社ハイクラス

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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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2018年7月 6日 (金)

【メタボリックシンドロームとは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

「メタボリックシンドローム(以下、メタボ)」という言葉はすでにみなさんも一度は耳にしたことがあると思います。
しかし、「メタボ=お腹周りが出ている、太っている」という理解ではありませんか?
「メタボ」は見た目が悪いだけでなく、重篤な病気につながる可能性のある危険な状態なのです。
今回は、「メタボ」がどんな状態で、どんな危険があるかについて確認していきましょう。

‐‐‐■メタボは動脈硬化を進行させる‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
メタボは別名「代謝異常症候群」や「内臓脂肪症候群」と呼ばれており、病気の名前ではなく、状態を指しています。メタボの状態とは、肥満(特に内臓脂肪の蓄積)に加え、高血圧、高血糖、脂質代謝異常が組み合わさっていることとされています。
つまり、肥満や過体重だけでメタボに該当するのではなく、血圧や血液の状態によって、メタボかどうかは決定されるのです。判断基準となる数値については次週の記事を参考にしてください。

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タボが続くと動脈硬化がすすむため、心筋梗塞(心疾患)や脳卒中(脳血管疾患)などの病気のリスクが高まります。
動脈硬化をリスクとする心疾患や脳血管疾患で日本人のおよそ4人に1人が亡くなっていることを考慮すると、「動脈硬化を防ぐ≒メタボを予防すること」で、死亡のリスクを低下させることができるのです。動脈硬化の危険因子には、加齢や喫煙、体質(家族歴)などもあるため肥満でなくとも、動脈硬化の進行には注意が必要です。

‐‐‐■動脈硬化は内臓脂肪の蓄積から始まる‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
余分にエネルギーを摂取した時、余った分のエネルギーは、まず肝臓や腸管膜(小腸や大腸を支えている膜)に「内臓脂肪」として蓄えられます。
この内臓脂肪の過剰な蓄積によって、アディポカイトサインと呼ばれる脂肪から分泌される生理活性物質に異常を起こします。不都合なホルモンの分泌は増加し、よいホルモンの分泌は減少するため、高血圧、高血糖、脂質代謝異常を介して、動脈硬化を引き起こしやすくなるのです。
また、内臓脂肪は合成と分解のスピードが早く、血液中に放出される機会も多くなるため、血液中の脂質が増加しやすくなります。
このように、内臓脂肪の蓄積によって、動脈硬化を進行させながら、糖尿病や高脂血症、高血圧症を引き起こしやすくなるため、内臓脂肪の量を日常から適切にしておくことが健康づくりでは重要です。

‐‐‐■メタボの進行は自覚症状がないから危険‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
メタボの危険なところは太ってきたという自覚はあっても、それ以外の症状を自覚することはほとんどないことです。実際にみなさんも健康診断等の結果で異常を指摘された時を思い出してみてください。
特に指摘をされても、「痛い」「つらい」などの自覚症状がないため、問題ないと思ってしまう人が少なくないのです。
しかし、その間も気付かぬうちに動脈硬化がすすんでしまい、血管が硬くなり、なかなか元には戻らなくなってしまうのです。健康診断で指摘された異常値は、指導などが入らないときほど、改善する可能性がある初期の悪い状態なのです。後回しにすることなく、早めに改善に向けて取り組みを始めましょう。

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‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
メタボはお腹が出ている(内臓脂肪が多い)という体型的なことだけでなく、動脈硬化を進行させ、死に直結するような病気を引き起こす状態であることは理解できたでしょうか?
メタボ予防の入口は、動脈硬化を進行させる内臓脂肪を蓄積させないことが大切です。
暴飲暴食をしている人や毎年体重が増えている人は要注意ですので、改善を始めていきましょう。

画像出典:https://www.photo-ac.com/

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中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。

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2018年6月22日 (金)

ダイエットを科学する【エネルギー収支バランス】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

ダイエットでは、食事量を減らしたり、運動量を増やしたりすることがほとんどだと思います。
実際、1kgの脂肪を減らすためにはどれくらいの食事制限または運動をすればよいのかご存知ですか?
これらについて「エネルギー収支バランス」という観点から解説します。

‐‐■エネルギー収支バランスとは‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
エネルギー収支バランスとは、食事などによって摂取したエネルギー量と基礎代謝や運動などによって消費したエネルギー量のバランスのことを指します。
この摂取と消費のエネルギー量のバランスによって体重は増減しています。
つまり、摂取エネルギー量と消費エネルギー量が同じとき、体重は変わらず維持されます。
一方、摂取エネルギー量の方が多く、消費エネルギー量が少ない場合、体重が増加します。

201806221例えば、食事制限をしていても痩せない人は、日常生活での運動が少ない可能性が考えられます。
一方で、運動をしているけど痩せないという人は、摂取エネルギーを増やすような食べ物を無意識に多く食べてしまっていたりするのかもしれません。
このように、エネルギー収支バランスから体重の増減を考えていくとわかりやすくなります。

‐‐‐■1kgの脂肪を減らすためには?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
それでは、1kgの脂肪を減らすためにはどれくらいのエネルギー収支バランスが良いのでしょうか。
脂肪1kgを燃焼させるには、約7200kcal消費エネルギー量が摂取エネルギー量よりも上回る必要があるとされています。
例えば、脂肪1kgを1週間で減らそうとする場合、1日あたり1000kcal以上も消費エネルギー量が上回る必要があります。
しかし、これは皆さんも想像している通り、達成は難しいですし、体調不良を引き起こすことも考えられます。
そのため、1ヶ月で脂肪1kgの減少を考えてみましょう。30日で減らす場合、消費エネルギー量が1日、240kcal分、上回ることが必要です。
これは意外ときつい部分もあるので、つらい方は1日120kcalで実施し、1ヶ月0.5kg、6か月で約3kgの脂肪量減少を目指すようにしましょう。

‐‐‐■1日240kcal減らすために‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
先ほどの1日に240cal消費カロリーエネルギー量を増やす場合、どんなことに実施すると良いのでしょうか。
例えば食事であれば、
「ご飯を大盛から普通盛にする(ご飯100gあたり168kcal)」
「甘いコーヒーを控える(缶コーヒー1本あたり50~60kcal)」
「仕事中などで口にするチョコレートを控える(1かけら5gあたり約20kcal)」
など、食事の量をすこしだけ減らしたり、3回の食事以外でついつい口にしてしまうものを変えたりすると、摂取エネルギー量を少なくすることができます。

201806222一方運動であれば、
「お昼休みに少し散歩をする」
「帰り道に1駅前で降りる」
「最寄駅から遠回りして家まで歩く」
「仕事中は1つ上のトイレに階段を使用する」
など、いつもよりも多く身体を動かすことを意識してみましょう。
10分(約1,000歩)程度歩く時間が増えると体重の半分のエネルギー量(体重100kgの人は50kcal、60kgの人は30kcal)の消費となります。
これらを組み合わせて消費エネルギー量が摂取エネルギー量より多くなるように意識してみましょう。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
体重の増減には、エネルギー収支バランスが影響しており、その中心を食事量や運動量が担っていることを説明しました。
摂取エネルギー量を減らすのか、消費エネルギー量を増やすのかを決めるところから考え、このエネルギー収支バランスをコントロールできるようにしましょう。
エネルギー収支バランスの計算をして計画を立てたら、日ごろから少し気にかけて自分の目指す体重、体組成に近づけていきましょう!

画像出典:https://www.photo-ac.com/

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2018年6月15日 (金)

ダイエットを科学する【推定エネルギー必要量】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

前回は基礎代謝について解説し、生命維持のために必ず消費している1日のエネルギー量(基礎代謝量)の計算をしました。
今回は、標準体重に向けてどれくらいエネルギーを摂取すべきかの参考となる推定エネルギー必要量を計算していきます。
推定エネルギー必要量は
『標準体重時の基礎代謝量×身体活動レベル(係数)』
で求めることができます。

‐‐‐■標準体重時の基礎代謝量‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
標準体重時の基礎代謝量は、前回までの2回の記事を参考にしながら計算をしていきます。
標準体重はBMIが22の時の体重(「身長(m)×身長(m)×22」)です。
そして、あなたの現在の年齢にあてはまる基礎代謝基準値(前回参照)に標準体重をかけることによって「標準体重時の基礎代謝量」を算出してください。

‐‐‐■身体活動レベル‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
身体活動レベルとは、「総エネルギー消費量を基礎代謝量で除したもの」と食事摂取基準2015で定義されています。
つまり、普段の生活の中での活動量がどの程度のレベルであるかを表しており、3つのレベルに分類されます。
自分の身体活動レベルは、日常の生活の中から思い出して当てはまるものを選びましょう。

●レベルⅠ(低い)
生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合はレベルⅠです。

●レベルⅡ(普通)
座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合はレベルⅡです。

●レベルⅢ(高い)
移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合はレベルⅢです。

201806151_2この身体活動レベルに性差はありません。
あなたの身体活動レベルが、どこに当てはまるのかを確認してください。

‐‐‐■実際に推定エネルギー必要量を計算してみましょう!‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
(例)35歳男性で身長170cm、身体活動レベルが普通(レベルⅡ:1.75)の場合
標準体重:1.7(m)×1.7(m)×22(kg/m2)=63.5kg
基礎代謝量:63.5(kg)×22.3(kcal/kg)=1,416(kcal/日)
推定エネルギー必要量:1,416(kcal)×1.75=2,478kcal/日
この男性の場合、2,478kcalという値が、BMI=22を目指すときに必要と推定されるエネルギー量になります。

理論上では、標準体重を維持するために必要なエネルギー量は2,478kcalが目安であり、これよりも多く食べ続けると、BMIは22よりも大きくなり、食べているエネルギー量に相当する体重に近づきます。
仕事現場などにおいて普段の身体活動レベルが高い(Ⅲ)場合でも休みの日が座位中心であれば、その日のレベルⅠやⅡとなってしまい、摂取すべき量も変わります。

201806152マラソンなどの特別きつい運動を実施した場合やその他の事情がある場合には、レベルⅢ以外の条件も考慮に入れる必要があり、専門家への確認が必要です。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
今回はBMIが22、つまり標準体重になるための推定エネルギー必要量を計算しました。
様々な活動によってエネルギー消費量は変動するため、あくまでも目安であることは忘れてはいけません。
しかし、一般的なお仕事をしている多くの場合、当てはまることが多いように思います。
自分がどれくらい食べていいのかわからない方は、今回算出した「推定エネルギー必要量」を参考にしてみましょう!

画像出典:https://www.photo-ac.com/

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2018年6月 8日 (金)

ダイエットを科学する【基礎代謝量とは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

「歳をとって『代謝』が落ちたから痩せなくなった、太った」という話をよく耳にします。
一般的に健康づくりにおいて、代謝とは「食べた物を分解や合成を繰り返して、エネルギーに変換すること」を指します。
代謝にはいくつか種類がありますが、よく会話にでてくる『代謝』という言葉のほとんどは「基礎代謝」を指している場合が多いように思います。

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‐‐‐■基礎代謝とは?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
厚生労働省の作成する『日本人の食事摂取基準2015』において、基礎代謝とは「身体的・精神的に安静にしている状態でのエネルギー代謝量であり、生命維持だけに必要なエネルギー(生きるために最低限必要なエネルギー)」と定義されています。
つまり、心臓が動いて全身に血液を送ったり、呼吸をしたり、体温を保ったりするなど、寝ている間も含め24時間エネルギーを生み出す必要があり、これが基礎代謝です。
生きている限り、じっとしていても誰もが基礎代謝として最低限のエネルギーを必ず消費しています。
そして、この生命維持のために必ず消費しているエネルギー量(kcal)のことを「基礎代謝量」と言います。
基礎代謝量は1日で消費するエネルギー量の約60~70%を占めるとされています。

‐‐‐■基礎代謝量の求め方‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
基礎代謝量は性別、年齢別の基礎代謝基準値(厚生労働省)をもとに算出することができます。
●男性の場合
18~29歳 → 24.0(kcal/kg)×体重(kg)
30~49歳 → 22.3(kcal/kg)×体重(kg)
50~69歳 → 21.5(kcal/kg)×体重(kg)
70歳~ → 21.5(kcal/kg)×体重(kg)
●女性の場合
18~29歳 → 23.6(kcal/kg)×体重(kg)
30~49歳 → 21.7(kcal/kg)×体重(kg)
50~69歳 → 20.7(kcal/kg)×体重(kg)
70歳~ → 20.7(kcal/kg)×体重(kg)

例えば、40歳女性で体重50kgの場合、
20.7(kcal/kg) × 50kg = 1,035kcalとなります。

計算式からも基礎代謝量は性別や年齢によって左右されることがわかります。

‐‐‐■基礎代謝の性差や年齢差‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
基礎代謝が行われる身体の器官は脳や肝臓などの内臓、そして筋肉が中心です。
脳や内臓、筋肉の大きさに多少の性差はありますが、それぞれの器官の機能に違いはありません。
つまり、女性よりも男性の方がそれぞれの器官が大きいため、基礎代謝基準値にも差が出ています。
また、加齢により基礎代謝量が落ちていくことの1つ要因として、筋肉量の減少があります。
筋肉量の減少によって、安静時に筋肉で消費するエネルギーだけでなく、運動時のエネルギー消費量にも影響します。
そのため、筋肉量の維持は、基礎代謝量の低下を予防するだけでなく、運動時のエネルギー消費量を維持するためにも重要なことなのです。

201806082‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
今回は、基礎代謝について解説しました。
普段何気なく使っている基礎代謝という言葉を理解し、さらに自分の基礎代謝量も計算して、知ることができたと思います。
基礎代謝量に運動や生活などによって消費したエネルギー量などを足し合わせると1日あたりの総消費エネルギー量となります。
そのため、総消費カロリーの中心となる基礎代謝量をまずは確認しておきましょう。

画像出典:https://www.photo-ac.com/

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岡本尚己[健康運動指導士]
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2018年6月 1日 (金)

ダイエットを科学する【あなたの理想体重は?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

誰しも、理想とする体型があり、一度は“ダイエット”を試したことがあると思います。
しかし、やみくもに体重のみを減らすようなダイエットでは、隠れ肥満(体重は問題ないが、筋肉量が少なく、体脂肪が多い状態)になってしまう可能性があります。
そのため、ダイエットを始める時には、自分の理想的な体重を知って、それに向けて目標を決めることが基本となります。

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‐‐‐■自分の標準体重を知ろう!‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
自分の身長から適切な体重を知りたい場合は、国際的に用いられている体格指数(BMI:Body Mass Index)から求めます。BMIは、代表的な肥満度の指標として使われています。
一般的には、BMIが22のときの体重が標準体重とされ、死亡率が低くなることが研究で報告されています。
日本では、BMIが25を超えると“肥満”と判定され、死亡のリスクが2倍以上になるとされており、積極的な減量が推奨されています。
一方、BMIが18.5未満の場合は“やせ(低体重)”と判定されます。
やせは一見モデル体型のようできれいに見えるという風潮もありますが、骨粗鬆症など健康問題のリスクが高くなることも報告されています。
また、鉄欠乏のような栄養不足の状態となり、貧血などの体調不良を引き起こしやすくなります。

‐‐‐■BMI・標準体重の計算方法‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
実際に自分のBMIと標準体重を計算してみましょう。
●BMI
「BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」
で求めることができ、18.5~25.0が標準の範囲内です。
●標準体重
「標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22(kg/m2)」
上記の計算で算出された値が標準体重(理想体重)です。
●肥満の基準となるとなる体重
「肥満の基準となる体重(kg)=身長(m)×身長(m)×25(kg/m2)」
自分にとっての肥満の基準となる体重も算出でき、この体重を超えるとあなたは肥満の判定になります。

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‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
BMIは体重のみで評価するため、アスリートなどの筋肉量が多い人は体脂肪が少なくても肥満と判定される場合があります。
自分の身長から計算された標準体重をダイエットの目標としてみましょう!
また、BMIが25を大きく超えている人は、いきなり標準体重を目標にすると道のりが長いので、まずはBMIが25となるような体重を目標にしてみましょう。

画像出典:https://www.photo-ac.com/

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2018年5月25日 (金)

【効果的な水分補給とは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

一昔前の日本では、運動中に水分を摂ってはいけない、ということが通説のように言われていました。
しかし、水分を摂らずにいると、脱水やミネラル不足に伴い、熱中症を促すことになるのはこれまで読んできたみなさんはお分かりになったかと思います。
最終回の今回は、熱中症の予防に効果的な水分補給の方法についてお伝えします。

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‐‐‐■私たちの体内の水は純粋な水なのか?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
私たち人間の身体を構成する成分のうち、おおよそ60%は水分でできていますが、この水分は、純粋な水なのでしょうか?
答えは、“No”で、人間の身体の水は、塩分濃度が0.9%の体液と呼ばれる水分で満たされています。

‐‐‐■効果的な飲み物とは‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
体液がただの水分ではないことを考慮すると、ただの水よりもミネラル(塩分など)が入っているもののほうが身体には必要であり、塩分濃度が0.1~0.2%程度だと吸収しやすいといわれています。これがミネラル入りの水分が勧められる理由です。
しかし、ミネラル分の濃度が濃すぎる飲み物は、吸収する際に薄めるために身体の水を使ってしまい、薄すぎる飲み物ではミネラル不足の問題が発生してしまいます。
さらに、冷たい飲み物(5~15℃程度)を飲むことで身体への吸収が高まることもわかっています。一方で、冷たすぎる物は胃腸に負担を与え、暖かい物は身体を冷やす効果が低いため、望ましくありません。
つまり、まとめると、適度にミネラル分が入っている冷えた飲み物(スポーツドリンクなど)が効果的ということです。

‐‐‐■どのような飲み方がいいのか?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
暑くてのどが渇くと、一気に飲みたくなりますが、これも最適な水分摂取とは言えません。一気飲みでは、飲んだ水分の大半は吸収されずに尿として出てしまいます。
また、のどが渇いた時点では、既に身体に水分が足りていない状態です。そのため、のどが渇く前からこまめに水分を摂ることが必要です。

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‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
効果的な水分摂取のポイントとして、
1.濃すぎない(0.1~0.2%程度)のミネラルが入っている
2.よく冷えている(5~15℃)
3.こまめに分けて摂取
の3つがあります

今月の4回の記事を通して、熱中症に関する基礎知識のご紹介しました。
まずは自分の熱中症を予防するとともに、家族や友人の熱中症にも注意をしていきましょう。
暑い夏が少しでも健康で快適な時間となりますことを祈っております。

画像出典:https://www.pakutaso.com/、https://www.photo-ac.com/

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<執筆者紹介>
中村智洋[博士(スポーツ健康科学)]
高校生、大学生年代の自転車競技の指導を行い、エビデンスに基づいたトレーニングを展開。現場での指導とともに、自転車競技のパフォーマンス向上に関する研究活動も実施。

監修:株式会社ハイクラス

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2018年5月18日 (金)

【熱中症になってしまったら…】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

もし熱中症になってしまったら・・・
熱中症は軽い症状から重い症状まで幅広く、正しく理解して対処しないと危険を伴う可能性があります。今回は、万が一、熱中症になってしまったときの対処についてお伝えしたいと思います。

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‐‐‐■熱中症の症状別の対処方法‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

①症状が軽い時
熱中症の症状が軽い時(少しふらっときた程度)は、まず涼しくて風の通る場所(木陰やクーラーのある部屋)に移動し、足を高くして横になりましょう。
少しふらっときた程度の症状であれば、上記のような対処でおおよそ回復すると思います。

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②筋肉が痙攣してしまった時
暑熱環境下での筋痙攣は、一般的に身体の脱水とミネラル喪失により起こるとされており、水分とミネラルを含んだスポーツドリンクの摂取が必要です。
また、5~15℃に冷えた物を飲むと、水分の吸収を高めつつ、身体を冷やすことができるため効果的です。
また、痙攣した筋肉をゆっくりとストレッチングさせることも有効です。
特に、ふくらはぎが痙攣した場合には、アキレス腱からふくらはぎにかけて仰向けに寝て伸ばすことが効果的です。

③症状が重い(中~重度)の時
めまいや頭痛、吐き気、意識がない時は、まずは涼しい場所に移動し、意識がない場合はすぐに救急隊に連絡をしましょう。
意識がある場合は、水分が飲めるかどうかを確認します。自力での水分摂取が難しい場合には医療機関の受診が必要です。
一方で、水分を飲んで落ち着く場合、症状の回復を待ち、もし症状が改善しない場合には医療機関の受診が必要です。

また、体がほてって異常に熱い場合は、氷やアイスパック、冷たいタオルなどを、首、腋(わき)の下、足の付け根など、太い血管(動脈)のある場所を冷やして、体温を下げる必要があります。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
熱中症になってしまったら、まずは涼しい場所に移動し、水分を摂るようにしましょう。その時に、意識がない場合はすぐに救急隊を呼びましょう!
また、水分が飲めない、飲んでも症状が改善しない場合も、医療機関に連れて行くようにしましょう。

※今回の内容はあくまで対処の一部であり、本来は予防や対策が最も大切です。今回の記事だけでなく、前回の記事(予防と対策)についてもしっかりと理解をしておくようにしましょう。

画像出典:https://www.photo-ac.com/

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<執筆者紹介>
中村智洋[博士(スポーツ健康科学)]
高校生、大学生年代の自転車競技の指導を行い、エビデンスに基づいたトレーニングを展開。現場での指導とともに、自転車競技のパフォーマンス向上に関する研究活動も実施。

監修:株式会社ハイクラス

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2018年5月11日 (金)

【熱中症の予防と対策】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

ゴールデンウィークは熱中症にならずに過ごせきましたか?
今週は熱中症にならないための具体的な予防と対策を紹介したいと思います。

‐‐‐■今日からできる熱中症の予防・対策‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
前回は、暑熱や多湿の環境で起こりやすいことをお伝えしました。
最近の日本の夏は特に、高温多湿であるため、熱中症の対策をしっかりとしておく必要があります。

①水分とミネラルの補給を
汗をかくと、身体の水分だけでなく、塩分などのミネラル(正しくは、NaやKなど)も失います。
そこで、失った水分やミネラルを補給し、身体を冷やすために、5~15℃に冷えたスポーツドリンクを“こまめに”摂ることが大切です。

★熱中症の予防と対策については次回ご紹介します!

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②温度調節のできる服装を
冷房にあたる時間が長いので長袖を着てきたのに、外に出たら暑すぎてつらい、なんて経験はありませんか?そうならないためにも、温度調節を上手にできる服装を心掛けましょう!
そして、着る服の素材も大切です。麻や綿などの通気性が高い生地や、吸湿性や速乾性の高い生地を選ぶことで、体温調節の手助けとなります。

③疲れているときはご注意を
疲れているときは、身体の免疫機能が低下しています。
その時に、慣れていない暑熱環境下に長時間いると、体温調節がうまくいかず、熱中症を引き起こしやすくなってしまいます。
普段は大丈夫でも、疲れているときはいつも以上に気を配りましょう!

④汗を拭きとろう!
多湿環境では、汗が身体にまとわりついてしまうことから、身体の熱が逃げずに体温が上がってしまいます。
それを予防するために、湿度の高い日などは身体の汗を拭きとり、身体から熱を逃がす手助けをしましょう!
ところで、見落としがちですが、プールや海水浴といった水中でも汗をかいています。水に浸かっていても、身体から水分やミネラルが失われているのです。このような時も“こまめな”水分摂取は必要です。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
夏は海水浴やキャンプなどの家族や友人と楽しめる行楽シーズンですので、楽しい時間を楽しいまま終えるためにも、熱中症の予防・対策を心掛けていきましょう!
特に、子供や高齢者のいるご家庭は、大人以上に気を配ってあげてください。

201805112画像出典:https://www.photo-ac.com/

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<執筆者紹介>
中村智洋[博士(スポーツ健康科学)]
高校生、大学生年代の自転車競技の指導を行い、エビデンスに基づいたトレーニングを展開。現場での指導とともに、自転車競技のパフォーマンス向上に関する研究活動も実施。

監修:株式会社ハイクラス

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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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2018年5月 4日 (金)

【熱中症とは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

あと1か月もすれば夏が・・・。
暑くなってくるとよく聞くものがありますね。そうです、熱中症です。
しかし、みなさんは熱中症について正しく理解していますか?

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‐‐‐■暑熱環境下で起こる障害の総称「熱中症」‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
熱中症とは、暑熱環境や体熱産生の増加に、身体が適応できず起きる状態の総称です。
熱中症は総称であり、熱性失神、熱痙攣(けいれん)、熱疲労、熱射病など10の診断名があり、それぞれ症状や重症度が異なります。
ここでは、いくつかの病態について、重症度別に簡単に解説していきます。

「熱失神」「熱痙攣」重症度は低いですが、めまいや失神、さらには筋痙攣(こむら返りのような状態≒脚がつる)などの症状が見られます。
このような症状がみられた時、運動などは中止し、身体を冷やしたり、スポーツドリンクなどの冷たい物を摂取して休息をとる必要があります。この場合は、安静によって回復するケースがほとんどです。

「熱疲労」重症度は中等度ですが、頭痛や吐き気、意識朦朧など臓器からの症状が現れます。水分補給や休養で回復することもありますが、体温が40度近くになり、点滴が必要なケースも発生します。医療機関の受診が必要な場合があります。

「熱射病」重症度は高く、医療機関の受診が必要です。熱射病の場合、体温調節機能が破綻し、意識障害など重症と思われる症状が発生している場合がほとんどです。体温は42度近くになり、最悪のケースでは死に至ってしまうこともあるのでできるだけ早い適切な対処が必要です。

‐‐‐■暑熱環境以外でも起こる熱中症‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
“熱中症は暑いから起こる”というイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか?
暑い環境で発生しやすい症状であることは間違いなのですが、それとともに“多湿”環境(湿度が高い)でも起こりやすくなります。
多湿環境では、湿度が高くムシムシしていることから、身体から汗がなくならず、熱を溜め込みやすい状態になっています。そのため、多湿環境では熱中症になりやすくなります。
また風のない日や日射が強い日、急に気温が上がった日なども熱中症になりやすく、注意が必要です。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
熱中症は、暑さなどによって、体温調節機能が破綻して起きる症状です。
極端な暑さにより、体温調節機能は異常をきたしやすいですが、その日の体調など様々な影響によって変わります。
例えば、梅雨明けは、身体が暑さになれておらず、水分を取らないと室内でも熱中症になる“いつの間にか熱中症”になってしまいます。
若者は運動時や作業現場等の職場など、高齢者は自宅の室内など、多方面で注意していく必要があります。
今から熱中症に対する意識を高めておきましょう。

★次回は熱中症の予防と対策についてご紹介します!

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画像出典:https://www.photo-ac.com/

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<執筆者紹介>
中村智洋[博士(スポーツ健康科学)]
高校生、大学生年代の自転車競技の指導を行い、エビデンスに基づいたトレーニングを展開。現場での指導とともに、自転車競技のパフォーマンス向上に関する研究活動も実施。

監修:株式会社ハイクラス

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