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2018年11月16日 (金)

【ロコモティブシンドロームとは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

今月1週目の記事では、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高くなった状態のフレイルを予防することが、健康な生活を送る上で非常に重要であることを解説しました。
また、前週は身体的なフレイルの1つであるサルコペニアを解説しましたが、もうひとつ「ロコモティブシンドローム」という重要な概念があります。

‐‐‐■ロコモの概念‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)とは、運動器障害のために移動機能の低下をきたした状態をいいます。(ロコモチャレンジ!推進協議会)運動器とは、身体の骨や関節、筋肉、神経のことを指しています。
この運動器が相互に連携することで、私たちの生活に必要な“立つ”や“歩く” などの「移動機能」が満足に行われ、自由に活動することができているのです。
しかし、日常生活における身体活動量の低下や極度な痩せや肥満などによって、運動器に障害(骨粗鬆症、変形性膝関節症など)が起こります。
運動器の障害により、移動機能の低下をきたし、要支援・要介護のリスクが高くなっている状態がロコモなのです。
実際に、ロコモに該当しているかどうかを判定する方法として、ロコモ度テストがあります。
このテストでは、該当なし、注意段階を指す「ロコモ度1」、警告段階を指す「ロコモ度2」のいずれに該当するかを判定します。

‐‐‐■ロコモ度テストによるロコモの判定方法‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ロコモ度テストは3つのテストで構成されています。
①立ち上がりテスト(下肢筋力の測定)
②2ステップテスト(歩幅の測定)
③ロコモ25(身体の痛みや日常生活に関する25問の質問)
上記の全てのテストを行い、ロコモに該当するかどうかを判定します。
例えば、立ち上がりテストでは、40㎝、30㎝、20㎝、10㎝の高さのそれぞれの椅子から片脚または両脚で立ち上がり、下肢の筋力が衰えていないかを確認するテストです。
40㎝の高さを片脚で立ち上がることができないと「ロコモ度1」に、また、20㎝の高さを両脚で立てなければ「ロコモ度2」に該当します。
まずは、一般的な椅子の高さである40㎝を、片脚で立ち上がることができるか確認するとよいでしょう。

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2ステップテスト、ロコモ25に関しては、下記のURLにアクセスすると、詳しく解説してありますので、ご参照ください。
https://locomo-joa.jp/check/

‐‐‐■ロコチェックから始めましょう‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ロコモ度テストを実施するとなると、機材や安全面などを考慮しなければなりません。
そこで、ロコモ度テストよりも簡便にロコモの危険性を確認する方法として、「ロコチェック」があります。
ロコチェックでは、以下の7つの質問に回答し、1つでも当てはまると、ロコモに該当している可能性が高いです。

<ロコチェック>.
①片脚立ちで靴下がはけない
②家のなかでつまずいたりすべったりする
③階段を上がるのに手すりが必要である
④家のやや重い仕事が困難である
⑤2㎏程度の買い物をして持ち帰るのが困難である※1リットルの牛乳パック2個程度
⑥15分くらい続けて歩くことができない
⑦横断歩道を青信号で渡りきれない

あなたの周りの人がロコモになっていないかどうか、上記の質問項目からもチェックしてみてましょう。
早めの対処が、要支援・要介護状態のリスクを減らすことに繋がります。

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<執筆者紹介>
宇野真里子[健康運動指導士]
東海大学大学院体育学研究科 修士課程在学中
「健康づくり支援事業」を中心に活動。
健康運動指導士の資格を取得し、ストレッチを中心とした高齢者の運動指導を実施。大学院では研究活動を勉強し、質の高い支援を現場に提供できるように奮闘中。

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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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2018年11月 9日 (金)

【サルコペニアとは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

前週の記事で、フレイルとは“加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高くなった状態”ということを解説しました。
身体的なフレイルの1つに、日本人の多くが有症しているとされる「サルコペニア」があります。
本稿では、サルコペニアについて、解説していきます。

‐‐‐■サルコペニアの語源・定義‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
サルコペニアは、ギリシャ語で“肉”を意味する「サルコ(sarx)」と、“失う”を意味する「ペニア(penia)」を合わせた造語です。
サルコペニアは和名で、加齢性筋肉減弱症と訳され、 「加齢や老化に伴う筋力及び筋肉量の減少」と定義されています。
読者の中にはご経験のある方もいらっしゃるかと思いますが、「最近、筋肉が減ってきたな」や「筋力が落ちてきたな」さらには、「歩く速度が遅くなったな」と感じることはありませんか?
これは、もしかしたら、サルコペニアの始まりかもしれません。

‐‐‐■サルコペニアの判定方法‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
サルコペニアの判定方法は、現在、統一されたものはありません。
しかし、サルコペニアの判定基準は、欧州の研究グループ(EWGSOP)の提唱したものがよく用いられています(図1)。

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このEWGSOPのサルコペニアの判定方法では、65歳以上の人のみを対象としています。
さらに、「歩行速度が低下し、筋肉量が低下した者」、もしくは「歩行速度は正常であっても、筋力及び筋肉量の低下を認める者」をサルコペニアと判定しています。
筋肉量の測定は、DEXA法という専門的な測定によるため、実際に一般の方が、判定のためだけに測定するのは非常に難しいのが現状です。

‐‐‐■サルコペニアの要因‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
サルコペニアの要因は、現在までに完全な解明はされていません。
加齢は、大きな要因の1つとなることは間違いありませんが、加齢以外にも、運動不足や低栄養、糖尿病などが要因にもなっています。
様々な要因で起こるサルコペニアを予防する基礎は、やっぱり毎日の適度な運動や栄養(食事)になります。

‐‐‐■最後に‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
加齢や老化に伴う筋力及び筋肉量の減少を抑える、すなわちサルコペニアの予防は、健康づくりにおいて必要不可欠です。
そのためには、食事のみならず、運動の実施が不可欠で、実際には運動のもたらす効果が非常に大きいと考えられています。
運動の実施方法は、専門家への相談から始めると良いでしょう。
あなたの筋力や筋肉量の低下を放置せずに、早めに対処することが、長く自立した生活を送るための重要なポイントになります。

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<執筆者紹介>
位高駿夫[博士(スポーツ健康科学)]
株式会社ハイクラス 代表取締役
大学院在学中に会社設立し、博士号の学位取得とともに会社を本格始動。
「健康づくり支援事業」「スポーツ活動支援事業」「情報発信・研究事業」を柱に、事業を展開。
企業や行政において、中高年者や高齢者に対して運動を中心とした健康づくり指導を講義や実技を通して実施。また、プログラム作りなどから助言し、効果の出る仕組みから検討している。
東海大学や法政大学でも非常勤講師として、教鞭をとりながら、研究活動も実施中。

詳細なプロフィールはこちら

2018年11月 2日 (金)

【フレイルとは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

近年、我が国では高齢化が進み、加齢に伴い生じる様々な症状や状態について注目されることが多くなってきました。
今月は最近、耳にする機会が増えた4つの言葉「フレイル」、「サルコペニア」、「ロコモティブシンドローム」、「変形性膝関節症」について1つずつ解説していきます。

みなさん「フレイル」という言葉は聞いたことがありますか?
フレイルは、健康と要介護状態の間にある“虚弱”を示す言葉です。
フレイルに該当する日本人はおよそ300万人と厚生労働省が推計しています。高齢化に伴い、さらに多くの人がフレイルになると予想され、早い段階からの予防・改善が重要です。

‐‐‐■フレイルの語源・定義‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「フレイル」という言葉は、「弱さ・もろさ」の意味を持つfrailty(フレイルティー)に由来します。
老年医学分野におけるfrailtyの意味は、虚弱や老衰、脆弱などの意味ですが、この言葉に対する適切な日本語訳を、「フレイル」にすることを2014年に日本老年医学会が提唱しました。
厚生労働省はフレイルを「加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高くなった状態」と定義しています。
しかしながら、実際に、フレイルの判定方法は現在まで統一されていません。

‐‐‐■フレイルの概念‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

20181102要介護状態を予防する方法を考えるときに、健康と要介護状態の二分で考えることは実際に難しいのが現状です。
つまり、多くの高齢者が健康から要介護状態に移行する際に、中間的な状態の「フレイル」を経ています。
さらに、自立度は一時から急激な低下を示すのではなく、緩やかに低下していきます。
そのため、健康と要介護状態の間にある「フレイル」が非常に重要になります。
フレイルは単に、体力低下などの身体的なことだけではなく、意欲の低下などの精神的なことや孤食などの社会的なことまで包括した概念です。

‐‐‐■フレイル予防・対策‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
フレイルは多面的な要素を持っており、その個別の対策は多岐にわたります。
フレイルの予防・対策の考え方として、「フレイルに陥らないようにすること」と「フレイルの進行を抑え・改善すること」が大切です。
それぞれの方法は専門家の指導や助言が必要です。
しかし、普段の生活から、身近にいる家族などがフレイルに早く気づき、対応することが要介護状態に至る可能性を減らしていくことに繋がります。
フレイルの概念から、急に要介護状態になるのではないことを理解し、身近な方を見守る力を大切にしていきましょう。

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<執筆者紹介>
宇野真里子[健康運動指導士]
東海大学大学院体育学研究科 修士課程在学中
「健康づくり支援事業」を中心に活動。
健康運動指導士の資格を取得し、ストレッチを中心とした高齢者の運動指導を実施。大学院では研究活動を勉強し、質の高い支援を現場に提供できるように奮闘中。

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2018年10月26日 (金)

【トレーニングの原則】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

前回のトレーニングの3原理に加えて、さらに細かなルール(トレーニングの原則)についてもお伝えします。

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‐‐‐■トレーニングの5原則‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
トレーニングを行うための最低限の3つの原理に加えて、さらに5つの原則があります。
これは、“トレーニングの5原則”といわれており、このルールも理解しておく必要があります。

①全面性の原則
“全面性の原則”は、身体の機能や能力を全体的にバランスよく向上させるようにする、というものです。
上半身だけ、身体の前面だけ、ではなく、上半身・下半身、前面・背面といったように全身をバランス良くトレーニングすることが大切です。

②漸進性の原則
“漸進性の原則”は、体力や技術の向上に伴い、しずつ負荷の強度や量を増やし、現状よりもさらに身体に負荷をかけるようにする、というものです。
人間の身体は、トレーニングをすると“適応(いわゆる、慣れ)”が起こるため、これまで実施してきた負荷のままだと身体の刺激にならなくなってしまいます。
そして、負荷を同じままでトレーニングし続けてしまうと、やっている割には効果が表れない、といった状況に陥ってしまいます。
頭打ちを避けるためにも、定期的に負荷を変えて、身体に負荷をかけてあげることが大切です。

③反復性の原則
“反復性の原則”は、トレーニングの効果を得るために継続的にトレーニングを行う、というものです。
すなわち、何度も繰り返しトレーニングを行って身につけていき、1回もしくは数回では効果は得にくい、というものですね。

④意識性の原則
“意識性の原則”は、トレーニングの内容をしっかりと理解して、目的を持ってトレーニングに取り組み、トレーニングするべき筋肉に意識を集中させる、というものです。
ただなんとなくトレーニングする、ではなく、しっかりと目的意識を持ってトレーニングすることが大切、ということを示しています。

⑤個別性の原則
“個別性の原則”は、個人の能力に応じてトレーニングの強度や質を調節する、というものです。
体力レベルは個人で違います。
友人にはこの負荷が適していたとしても、自分にとっては重すぎる、あるいは軽すぎる、ということがあるかもしれません。
個人の能力に応じてトレーニングの強度や質を調節する必要があります。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
今回はトレーニングの5つの原則についてお伝えしました。
トレーニングの5原則は、
①全面性の原則
②漸進性の原則
③反復性の原則
④意識性の原則
⑤個別性の原則
以上の5つになります。
3原理と同じくトレーニングをするための大切なルールになってきますので、“5原則”も覚えておきましょう。

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1879779

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<執筆者紹介>
中村智洋[博士(スポーツ健康科学)]
高校生、大学生年代の自転車競技の指導を行い、エビデンスに基づいたトレーニングを展開。現場での指導とともに、自転車競技のパフォーマンス向上に関する研究活動も実施。

詳細なプロフィールはこちら

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2018年10月19日 (金)

【トレーニングの原理】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

みなさんはこれまでにトレーニングをしたことはありますか?
トレーニングを行う際に理解しておくべき“トレーニングの3つの原理”についてここでは解説します。

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‐‐‐■1.過負荷の原理‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
“過負荷の原理”は、自分の現状よりも強い刺激(過負荷)を身体に課すことで、身体はその刺激に適応しようとして、それを楽に感じるように変わっていく、というものです。
つまり、言い換えると“身体に適切に負荷をかけなければいけない!”ということになります。
ダンベルやバーベルを持ってトレーニングをしていると、なんだかトレーニングをやっている感じがでますが、それだけで満足してはいけません。
トレーニングの効果を出すためには、“やっている感じ”だけではダメなので、しっかりと身体に負荷をかけるこが大切ということを過負荷の原理は示しています。

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‐‐‐■2.特異性の原理‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
“特異性の原理”は、トレーニングの効果は実施した運動の内容を色濃く反映するため、目的に応じたトレーニングを選ぶことが必要、というものです。
たとえば、マラソン大会出場に向けてトレーニングする時に、水泳をしますか?
怪我などの特別な場合は除きますが、マラソンで結果を出したいのであれば、走る動作であるランニングをしますよね。
トレーニングもそれと一緒で、“ここの筋肉を大きくしたい”、“ここのラインを良く見せたい”というように、“自分のねらい”に応じてやっていく必要があります。

‐‐‐■3.可逆性の原理‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
可逆性の原理は、読んで字のごとく、“逆もまた可なり”ということで、トレーニングをしなければ元に戻る、というものです。
つまり、この可逆性の原理からの大きなメッセージとして、トレーニングを止めてしまえば、元に戻ってしまう、ということになります。
トレーニングし始めた最初の1ヶ月間を猛烈に頑張っても、次の1ヶ月間何もしなければ身体は元に戻ってしまいます。元に戻さないためにも継続的に頑張りましょう、ということですね。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
トレーニングの原理について、理解できましたか?
勉強やスポーツ、仕事など、何事にも最低限のルールがあります。トレーニングもそれと同じで、最低限知っておくべき3つのルールがあります。
これからトレーニングを頑張ってみようと思っているみなさん、
1.過負荷の原理
2.特異性の原理
3.可逆性の原理
以上の3原理を踏まえてトレーニングをしていきましょう。

画像出典:

https://www.photo-ac.com/main/detail/1573742
https://www.photo-ac.com/main/detail/45246

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<執筆者紹介>
中村智洋[博士(スポーツ健康科学)]
高校生、大学生年代の自転車競技の指導を行い、エビデンスに基づいたトレーニングを展開。現場での指導とともに、自転車競技のパフォーマンス向上に関する研究活動も実施。

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2018年10月12日 (金)

【トレーニングとは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

何気なく使うトレーニングという言葉。きつい運動、追い込むことをトレーニングと思っていませんか?
トレーニングを正しく実施するには、トレーニングという言葉から適切に理解しておくことが大切です。

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‐‐‐■トレーニングの語源‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
トレーニングは、英語のtrainという動詞が名詞化(training)した言葉です。
ここでのtrainは電車という意味ではありません。
trainは、他動詞としては“訓練する、馬・犬などを仕込む、ならす”、自動詞としては“訓練する、練習する、体を鍛える”という意味を持ちます。
そして、その名詞化されたtraining(トレーニング)は、“体を鍛えること”や“鍛練”という意味として訳されます。

‐‐‐■トレーニングの種類とは‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
みなさんは、トレーニングといえばどのようなイメージがありますか?
筋肉をつけてマッチョになることがトレーニング、のようなイメージが強くないでしょうか?
イメージ通り、筋力や筋肉量、パワーの向上をねらったものもトレーニングで、これらは一般的に、レジスタンストレーニングと呼ばれています。
また、長い時間走り続けられるような持久力の向上を狙った運動もトレーニングで、これは一般的に、有酸素トレーニングと呼ばれています。
つまり、目的(向上させたい体力)に対し、それを達成するために行うのがトレーニングで、目的に応じてトレーニングの方法も異なります。

‐‐‐■トレーニングはキツイもの?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
トレーニングといえば、頑張るもの、追い込むもの、苦しいもの、というネガティブなものだと思っていませんか?
効果的かつ効率的にトレーニングを進めていくためには、ただがむしゃらに頑張ればいいわけではありません。
スポーツ科学が発展してきた今日では、キツイけどしっかりと身体を追い込む必要のあるトレーニングだけではなく、楽だなと心に余裕を持ってやることで良い効果を得られるトレーニングがあることも分かっています。
ここではそれらの内容については割愛しますが、ただがむしゃらに頑張ることだけがトレーニングではないのです。
そして、トレーニングを効果的に進めていくために、知っておくべき最低限のルールであるトレーニングの“原理”と“原則”があります。
これらについては、次回以降、解説していきます。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
筋力をつけることもトレーニング、持久力を向上させることもトレーニングです。
トレーニングは、高めたい能力(体力)に応じてそのプログラムを組む必要があります。
ただがむしゃらに頑張るトレーニングはやめて、目的を持ち、適切な理論に基づくトレーニングに取り組むことが大切です。

画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1389539

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<執筆者紹介>
中村智洋[博士(スポーツ健康科学)]
高校生、大学生年代の自転車競技の指導を行い、エビデンスに基づいたトレーニングを展開。現場での指導とともに、自転車競技のパフォーマンス向上に関する研究活動も実施。

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2018年10月 5日 (金)

【体力とは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

今月のテーマは、トレーニング。
トレーニングについて解説する前に、今週は“体力とは”というテーマで解説します。
どの体力を向上させるのか、ということはトレーニングをする際にとても大切なポイントになってきます。
そのため、まずは“体力”について理解しましょう。

‐‐‐■体力とは‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
そもそも“体力”とは何なのでしょうか?
体が丈夫(風邪を引かないなど)なこと?腕っぷし(腕力など)が強いこと?長距離走などの粘り強さがあること?
“体力とは?”と聞かれると、明確な答えを意外と出せないものです。
みなさんが想像した体力も含まれていると思いますが、体力という言葉の指す意味は思っているよりも幅広いのです。

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‐‐‐■体力の身体的要素と精神的要素‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
図は、猪飼先生(1966年)により定義された体力で、わが国では広く引用されています。
体力は、まず“身体的要素”と“精神的要素”の2つに分けられます。
体力の身体的要素については、次項でまとめますので、ここでは精神的要素の体力について解説します。
体力の精神的要素は、行動体力と防衛体力に二分され、行動体力とは“意志、判断、意欲”を指し、防衛体力とは“ストレスに対する抵抗力”を指しています。

‐‐‐■身体的要素の行動体力と防衛体力‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
身体的要素の体力も行動体力と防衛体力に二分されます。
その中の防衛体力は、構造的な役割を表す“器官、組織の構造”と機能的な役割を表す“温度調節、免疫、適応”に分類されます。
次に、行動体力は、“形態”と“機能”に分けられ、形態では“体格、姿勢”、機能では“筋力、敏捷性・スピード、平衡性・協調性、持久性、柔軟性”に分けられます。

身体的要素の中の行動体力が、一般的に私たちが想像する体力で、“体力”という全体から見てみると、実はその一部でしかないことが分かります。
また、小学校や中学校で実施した“新体力テスト”では、主に行動体力の機能的特徴を測定しています。
筋力は握力、敏捷性は反復横跳び、持久性はシャトルラン、柔軟性は長座体前屈です。その他には、立ち幅跳びで足のパワーなども測定しています。
形態的な特徴(腕や足が太いなど)も体力の一つと考えられています。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
体力とは何なのか?
筋力や持久力だけではなく、精神的な要素(ストレスへの抵抗性)や体格(形態的な特徴)なども体力の一つです。
このように、身体的要素に加えて、精神的要素も体力として考えられています。
最後に、トレーニングをする際に、どの体力を向上させるかによってトレーニングの目的や内容、方法が変わるため、体力という言葉の意味を抑えておくことは重要です。

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中村智洋[博士(スポーツ健康科学)]
高校生、大学生年代の自転車競技の指導を行い、エビデンスに基づいたトレーニングを展開。現場での指導とともに、自転車競技のパフォーマンス向上に関する研究活動も実施。

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2018年10月 1日 (月)

【サイクリングは運動として効果があるの?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

有酸素運動の1つに自転車を使用した運動(サイクリング)があります。
サイクリングはウォーキングや水中運動などと同様に、生活習慣病の予防や心肺機能(持久力)に好影響を及ぼします。自転車は、多くの人が日常生活の中で気軽に使用する乗り物ですが、運動を目的とした場合でもお勧めしたい乗り物です。
さらに、ウォーキングよりも短い時間で遠くへ行くことが可能になり、運動しながら様々な場所を訪れ、楽しむことができます。車を利用することが多く、身体を動かす機会が減っている人は移動の一部として自転車を利用したり、歩くことが苦手な人はウォーキングに変わってサイクリングを始めてみたりしてはいかがでしょうか。

‐‐‐■サイクリングの強度と特徴‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
サイクリングの運動強度は、自転車の性能によっても変わりますが、一般的に以下のように言われています。
時速8.9㎞:3.5METs
時速15.1㎞:5.8METs
時速16.1~19.2㎞:6.8METs
時速19.3~22.4㎞:8.0METs
自転車の一般的なスピードは、時速15㎞程度と言われています。これは、とても速く歩く(5.0METs)よりも強度が高く、ジョギングの運動強度に相当します。
サイクリングはジョギングに匹敵する運動強度ですが、ジョギングよりも膝への負担が少ない ため、膝の痛い人や身体への負担を軽減しながら運動したい人にとって、実施しやすい運動になります。
ただし、長時間の運転や片方のペダルに体重をかけた運転(立った状態で漕ぐ)を行った場合、膝痛の原因になるので注意しましょう。
さらに、サイクリングで行うペダリング運動(自転車を漕ぐ動作)は、歩行よりも下半身の筋肉を使うため、効果的に下半身を鍛えることができます。

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‐‐‐■サイクリングは運動時間が短くなりやすい‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
サイクリング中、すなわち自転車を漕いでいる時間は運動になりますが、漕いでいない時間は座っている状態で、ほとんど運動になっていません。
スピードに乗っている時や坂道を下る時などのペダリング運動を行わない時間の消費エネルギーは、座っている時とほぼ同じです。
また、いつも歩いている道を徒歩でなく自転車に変えると、移動時間が短縮され、運動する時間としても短くなり、消費されるエネルギー量も少なくなってしまいます。
例えば、60kgの人が普通歩行で通勤時間が30分の場合、94.5kcalのエネルギーを消費しますが、自転車(時速15.1㎞)で通勤時間が10分となった場合、60.9kcalのエネルギーしか消費できなくなってしまいます。
サイクリングを実施する際は、その効率と効果を理解し、上手に取り入れましょう。

‐‐‐■エアロバイクも利用してみましょう‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
エアロバイクは屋内での使用が可能で、天候に左右されずに運動が楽しめます。
スポーツジム以外でも、購入して自宅に置くこともできます。
運動する時間があまりとれないという人でも、自宅にあれば空いた時間を使って気軽に運動することができるでしょう。
エアロバイクは、外で使用する自転車とは異なり、強度の調節が簡単です。
さらに、常に漕いでいる状態ですので、効率的にエネルギーを消費することができます。

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‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
サイクリングは、運動強度がウォーキングよりも比較的高く、ジョギングよりも膝への負担のかからない、実施しやすい運動です。
通勤や買い物で車の代わりに利用したり、休日に遠くまで行ったり、時間がない場合は自宅でエアロバイクを利用したりなど、自分に合った利用方法を見つけてみましょう!
ただし、スピードの出し過ぎや自転車専用道路が整備されていない場所を走る場合は、危険も伴いますので、実施する際には十分気を付けて、交通ルールを守って安全運転を心がけてください。

画像出典https://d1f5hsy4d47upe.cloudfront.net/4a/4ae0b091ee4f51e9f984768d0f80b7ac_w.jpg
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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。

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2018年9月21日 (金)

【様々なウォーキングを実践しましょう!】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

ウォーキングは道具を必要とせず、強度(きつさ)も自分で調節できるため、比較的、誰でも実施しやすい種目ですが、単調になりやすく、飽きやすい欠点もあります。
ウォーキングの方法は、単に平地を歩く以外にもバリエーションが豊富で、工夫次第ではさらなる効果も期待できます。ウォーキングが続かない人や飽きてしまう人、すでにウォーキングを実施している人もウォーキングのバリエーションを増やしてみてはいかがでしょうか?

‐‐‐■インターバル速歩‐‐‐‐‐‐‐‐‐
速歩では疲れてしまい、長時間続けられない人に最適な方法です。
インターバル速歩とは、一般的に、速歩とゆっくり歩行(または普通歩行)を繰り返して行うウォーキングのことです。
「3分速歩→3分ゆっくり(普通)歩行→3分速歩…」というように、実施します。
時間や速さに明確な決まりはなく、電柱ごとや横断歩道ごとに速さを変化させて実践するなど、アレンジが自由にできます。
単に普通歩行で歩くよりも、速歩が入るため、筋力向上などの効果が見込まれます。
さらに、強弱のある運動を繰り返すことで、心肺機能(持久力)の向上も期待できます。
この方法は、特別な道具や場所を必要とせず、歩く速度を変えるだけなので、簡単に取り組むことができます。

201809211‐‐‐■水中ウォーキング‐‐‐‐‐‐‐‐‐
水中ウォーキングは、陸上での普通歩行などでは膝や腰に痛みが出る人や過体重で運動不足な人に最適です。
水中では浮力作用により、体重の負荷が極端に減り、膝や腰への負担が少なくなるため、痛みが軽減された状態で歩くことができます。
また、水中にいるだけで冷却や水圧の影響を受け、体温を維持したり、推進力が必要になったりするため、陸上でのウォーキングよりもエネルギー消費量が上がります。
水中ウォーキングの運動強度はそれぞれ、ゆっくり歩く場合で2.5METs、少しきついと感じる速さで4.5METs、きついと感じる速さで6.8METsとなり、陸上でのかなり速歩の5.0METsと比較しても高い運動強度であることがわかります。
大きく踏み込んで歩いたり、後ろ向きで歩いてみたり、陸上ではあまりできない運動を実施して普段使わない筋肉を意識的に使ってみるのも良いでしょう。

‐‐‐■その他の歩き方‐‐‐‐‐‐‐‐‐
●つま先歩き
かかとを上げ、つま先だけで歩くことで、ふくらはぎの筋肉に負荷がかかります。
下肢に血流がたまることと、エコノミークラス症候群などの原因となるため、ふくらはぎの筋肉を動かすことが大切です。
ふくらはぎを中心とする下半身は第2の心臓と呼ばれ、下肢に溜まった血液を重力に逆らって流すポンプのような働きがあるので、意識的に動かしてみましょう。

●かかと歩き
つま先歩きとは逆で、つま先を上げ、かかとだけで歩くことによって、すねの筋肉に負荷がかかります。
すねの筋肉が衰えると、つま先が下がると言われています。
少しの段差でも転んだりつまずいたりする方は、すねの筋肉量が低下し、つま先が下がっていると考えられます。
すねの筋肉は普段あまり使わないので、かかと歩きを1日1分取り入れることから始めてみましょう。

●タンデム歩行
タンデム歩行は別名、継ぎ足歩行とも呼ばれ、綱渡りをしているように、一方のつま先をもう一方のかかとにつけながら歩く、歩き方です。
普通歩行よりも不安定な歩き方となるため、バランス能力の向上やふらつき防止の効果が期待できます。

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今回は、さまざまなウォーキング法を紹介しました。
少し工夫するだけでも、強度や使う筋肉が変わります。
いつも同じメニューをこなすのもよいですが、いろいろな方法を組み合わせて、質の高いウォーキングを目指しましょう。

画像出典
https://www.photo-ac.com/

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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。

詳細なプロフィールはこちら

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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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2018年9月14日 (金)

【歩行速度を速くするポイント】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

前回、ウォーキングは速さ(運動強度)によってエネルギー消費量が変化し、歩行速度が上がれば消費できるエネルギー量も増加すると解説しました。そのため、ゆっくり歩きの人は普通速度で、普通速度の人はやや速めで、歩くことを意識しましょう。
今回は、歩行速度を上げるためのポイントを解説します。

‐‐‐■歩行速度について‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
明確な分類はありませんが、平らで固い地面での歩行の場合、速度によって、次のように呼び方をしています。
「ゆっくり56m/分(時速約3.2㎞)未満」
「普通67m/分(時速約4㎞)程度」
「速い95~100m/分(時速約5.6㎞)程度」
「とても速い107m/分(時速約6.4㎞)以上」
皆さんは普段どのくらいの速さで歩いていますか?

歩行速度は、筋肉量の減少や柔軟性の低下など様々な要因によって、低下します。
歩行速度が遅い人ほど、寿命が短いという研究報告もあり、見くびることはできません。

『 歩行速度 = ピッチ × 歩幅 』
歩行速度は、ピッチと歩幅の組み合わせによって、決定されます。
そのため、歩行速度を上げるには、「ピッチを上げること」と「歩幅を広げること」の2つが重要です。
どちらも意識してほしいポイントですが、まずはどちらか実施しやすいほうから始めてみてください。

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‐‐‐■ピッチを上げる‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ピッチとは、1分間あたりの歩数のことです。
標準的なピッチの目安は約100歩/分に対して、ピッチの遅い人は約80歩/分、ピッチが速い人は120~130歩/分程度となります。
120歩/分のピッチの場合は、「1秒間に2歩」歩くテンポになります。
まずは30~60秒程度、実際に歩いて、自分のピッチを確認してみましょう。
自分のピッチがわかったら、日常の通勤や買い物などで、ピッチを少し上げるように意識して歩きましょう。
ピッチを上げるのが難しいと感じる人は、肩甲骨を起点に大きく腕を振って勢いをつけることがポイントです。

‐‐‐■歩幅を広げる‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
歩幅とは、1歩あたりの距離のことです。
つまり、1歩踏み出した足のつま先から後ろ足のつま先までの距離になります。
標準的な歩幅は、およそ「身長(cm)×0.45」とされています。
これに対して、歩幅の広い人は、「身長(cm)×0.50~0.55」され、狭い人は「身長(cm)×0.37」とされています。
まずは、靴などの長さなどを目安に自分の歩幅を知りましょう。
自分の歩幅がわかったら、着地する足をいつもよりも少し前にしましょう。
また、普通の歩幅で10歩のところを8歩でいけるようになることは、歩幅が広いことの目安になりますので、試してみてください。

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画像出典
https://www.photo-ac.com/

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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。

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