巷には健康情報があふれています。
「朝バナナダイエット」「1日1食プチ断食」「逆立ち健康法」・・・。いったいどれが正しくて、どれが間違っているのでしょうか?
‐‐‐■健康情報の基となる根拠を‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
正しい健康情報には、科学的な根拠(エビデンス)があります。
そのエビデンスは科学的な手法に基づいた研究(実験)によって立証されています。基本的にはこれらの科学的な手法に基づかない健康情報は、一般的に正しいということはできません。そのため、健康情報がどのようなデータによって作られたのかについて本来は確認する必要があるのです。
科学的な手法に基づかない研究による健康情報の代表的な例が「“A”を飲むと痩せる!」というものです。
「“A”を飲むと痩せるかどうか」を実験する際には、“A”を飲んだグループと飲まないグループ(もしくは効果のない”A”と類似する成分を飲んだグループ)の比較によって違いを検討する必要があります。
つまり、“A”を飲んだグループのみの結果では、本当に“A”の影響であるかどうかを明らかにできておらず、必ず対照となるグループが必要なのです。
‐‐‐■動物実験で発表は正しいのか?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
新聞や広告を見ていると、「〇〇学会で“S”の成分を飲むと動物実験でコレステロールが下がることが発表されました」というような記事をよく見かけます。
果たしてこれは正しいでしょうか?
実験で使われる動物の多くはマウス(ネズミ)などであるため、このような情報に対しては人間において立証されていないという疑いは消すべきではありません。
例えば、動物がサルであれば、人間でも近い結果を得る可能性は高いですが、マウス(ネズミ)では、同じ結果は得られないかもしれません。
なぜなら、身体のサイズが違ったり、生活も大きく違ったりするからです。
つまり、その記事だけでは、まだ不確定要素のある健康情報であるということを忘れてはいけません。
そのため、いきなり自分(人間)に応用して実践することは望ましくありません。
‐‐‐■体質や遺伝を考慮して考える。‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
健康に寄与する食事や運動。
同じことを実施しても、その影響や効果には個人差があることを忘れてはいけません。
例えば、同じ量の牛乳を飲んでも、おなかを下してしまう人とそうでない人がいます。これは、乳糖を処理する酵素の量によって決まるとされています。
また睡眠も人それぞれであり、さらに人の中でも状況が大きく変わります。
このように同じ健康づくりの方法であっても、必ずしもあなたに最適な効果が現れるとは言えないのです。
‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
健康情報は、日に日に更新されていきます。昨日まで正しかったことが翌日には変わっている可能性があります。
昔の情報はもう一度確認して、今、正しいとされている方法で健康づくりを実施していきましょう。
画像出典:
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<執筆者紹介>
位高駿夫[博士(スポーツ健康科学)]
株式会社ハイクラス 代表取締役
企業内で研修等による中高年者の運動・健康指導を行う。大学等で教鞭をとりながら、スポーツ健康科学に関する研究も実施。
運動・スポーツを通して、全ての人の健幸に貢献する会社、株式会社ハイクラスを設立した。
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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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