【歩行速度を速くするポイント】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報
前回、ウォーキングは速さ(運動強度)によってエネルギー消費量が変化し、歩行速度が上がれば消費できるエネルギー量も増加すると解説しました。そのため、ゆっくり歩きの人は普通速度で、普通速度の人はやや速めで、歩くことを意識しましょう。
今回は、歩行速度を上げるためのポイントを解説します。
‐‐‐■歩行速度について‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
明確な分類はありませんが、平らで固い地面での歩行の場合、速度によって、次のように呼び方をしています。
「ゆっくり56m/分(時速約3.2㎞)未満」
「普通67m/分(時速約4㎞)程度」
「速い95~100m/分(時速約5.6㎞)程度」
「とても速い107m/分(時速約6.4㎞)以上」
皆さんは普段どのくらいの速さで歩いていますか?
歩行速度は、筋肉量の減少や柔軟性の低下など様々な要因によって、低下します。
歩行速度が遅い人ほど、寿命が短いという研究報告もあり、見くびることはできません。
『 歩行速度 = ピッチ × 歩幅 』
歩行速度は、ピッチと歩幅の組み合わせによって、決定されます。
そのため、歩行速度を上げるには、「ピッチを上げること」と「歩幅を広げること」の2つが重要です。
どちらも意識してほしいポイントですが、まずはどちらか実施しやすいほうから始めてみてください。
‐‐‐■ピッチを上げる‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ピッチとは、1分間あたりの歩数のことです。
標準的なピッチの目安は約100歩/分に対して、ピッチの遅い人は約80歩/分、ピッチが速い人は120~130歩/分程度となります。
120歩/分のピッチの場合は、「1秒間に2歩」歩くテンポになります。
まずは30~60秒程度、実際に歩いて、自分のピッチを確認してみましょう。
自分のピッチがわかったら、日常の通勤や買い物などで、ピッチを少し上げるように意識して歩きましょう。
ピッチを上げるのが難しいと感じる人は、肩甲骨を起点に大きく腕を振って勢いをつけることがポイントです。
‐‐‐■歩幅を広げる‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
歩幅とは、1歩あたりの距離のことです。
つまり、1歩踏み出した足のつま先から後ろ足のつま先までの距離になります。
標準的な歩幅は、およそ「身長(cm)×0.45」とされています。
これに対して、歩幅の広い人は、「身長(cm)×0.50~0.55」され、狭い人は「身長(cm)×0.37」とされています。
まずは、靴などの長さなどを目安に自分の歩幅を知りましょう。
自分の歩幅がわかったら、着地する足をいつもよりも少し前にしましょう。
また、普通の歩幅で10歩のところを8歩でいけるようになることは、歩幅が広いことの目安になりますので、試してみてください。
画像出典
https://www.photo-ac.com/
<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。
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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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