【様々なウォーキングを実践しましょう!】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報
ウォーキングは道具を必要とせず、強度(きつさ)も自分で調節できるため、比較的、誰でも実施しやすい種目ですが、単調になりやすく、飽きやすい欠点もあります。
ウォーキングの方法は、単に平地を歩く以外にもバリエーションが豊富で、工夫次第ではさらなる効果も期待できます。ウォーキングが続かない人や飽きてしまう人、すでにウォーキングを実施している人もウォーキングのバリエーションを増やしてみてはいかがでしょうか?
‐‐‐■インターバル速歩‐‐‐‐‐‐‐‐‐
速歩では疲れてしまい、長時間続けられない人に最適な方法です。
インターバル速歩とは、一般的に、速歩とゆっくり歩行(または普通歩行)を繰り返して行うウォーキングのことです。
「3分速歩→3分ゆっくり(普通)歩行→3分速歩…」というように、実施します。
時間や速さに明確な決まりはなく、電柱ごとや横断歩道ごとに速さを変化させて実践するなど、アレンジが自由にできます。
単に普通歩行で歩くよりも、速歩が入るため、筋力向上などの効果が見込まれます。
さらに、強弱のある運動を繰り返すことで、心肺機能(持久力)の向上も期待できます。
この方法は、特別な道具や場所を必要とせず、歩く速度を変えるだけなので、簡単に取り組むことができます。
‐‐‐■水中ウォーキング‐‐‐‐‐‐‐‐‐
水中ウォーキングは、陸上での普通歩行などでは膝や腰に痛みが出る人や過体重で運動不足な人に最適です。
水中では浮力作用により、体重の負荷が極端に減り、膝や腰への負担が少なくなるため、痛みが軽減された状態で歩くことができます。
また、水中にいるだけで冷却や水圧の影響を受け、体温を維持したり、推進力が必要になったりするため、陸上でのウォーキングよりもエネルギー消費量が上がります。
水中ウォーキングの運動強度はそれぞれ、ゆっくり歩く場合で2.5METs、少しきついと感じる速さで4.5METs、きついと感じる速さで6.8METsとなり、陸上でのかなり速歩の5.0METsと比較しても高い運動強度であることがわかります。
大きく踏み込んで歩いたり、後ろ向きで歩いてみたり、陸上ではあまりできない運動を実施して普段使わない筋肉を意識的に使ってみるのも良いでしょう。
‐‐‐■その他の歩き方‐‐‐‐‐‐‐‐‐
●つま先歩き
かかとを上げ、つま先だけで歩くことで、ふくらはぎの筋肉に負荷がかかります。
下肢に血流がたまることと、エコノミークラス症候群などの原因となるため、ふくらはぎの筋肉を動かすことが大切です。
ふくらはぎを中心とする下半身は第2の心臓と呼ばれ、下肢に溜まった血液を重力に逆らって流すポンプのような働きがあるので、意識的に動かしてみましょう。
●かかと歩き
つま先歩きとは逆で、つま先を上げ、かかとだけで歩くことによって、すねの筋肉に負荷がかかります。
すねの筋肉が衰えると、つま先が下がると言われています。
少しの段差でも転んだりつまずいたりする方は、すねの筋肉量が低下し、つま先が下がっていると考えられます。
すねの筋肉は普段あまり使わないので、かかと歩きを1日1分取り入れることから始めてみましょう。
●タンデム歩行
タンデム歩行は別名、継ぎ足歩行とも呼ばれ、綱渡りをしているように、一方のつま先をもう一方のかかとにつけながら歩く、歩き方です。
普通歩行よりも不安定な歩き方となるため、バランス能力の向上やふらつき防止の効果が期待できます。
今回は、さまざまなウォーキング法を紹介しました。
少し工夫するだけでも、強度や使う筋肉が変わります。
いつも同じメニューをこなすのもよいですが、いろいろな方法を組み合わせて、質の高いウォーキングを目指しましょう。
画像出典
https://www.photo-ac.com/
<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。
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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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