【糖質制限のメリットとデメリット】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報
‐‐‐■糖質制限とは‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ダイエット法の一つとして根付いた糖質制限。
言葉の通り、体重減少などを目的として、糖質の摂取を制限するダイエット法ですが、実際の方法は人それぞれ違い、決まりはありません。
全く糖質を摂取しない人もいれば、夜ご飯だけ糖質をとらない人、ご飯だけ食べない人…。
体重減少を中心とする効果を得やすいことは事実ですが、果たしてその方法は正しいのでしょうか?
‐‐‐■糖質の摂取量‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
糖質の摂取量の目安は日本人の食事摂取基準2015年版(厚生労働省)に示されています。
その中で、糖質は摂取エネルギーの50~65%の摂取量にすることが推奨されています。エネルギー摂取量を2,000kcalとすると、糖質からの摂取は、1,000~1,300kcalとなります。仮に1,200kcalとしたときに、糖質の量にすると300gです。
糖質量の例として、ご飯一膳(150g)で糖質55g、ビール500mlで糖質17.5g、牛乳1杯(210g)で10gなどがあげられます。
実際には、これら以外のほとんどの食品にも糖質が入っていることを考慮すると、ご飯が主食の日本人は日常的に糖質の摂取が多いことが予測されます。
‐‐‐■糖質制限のメリット‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
日常的に糖質摂取量の多い人は、糖質を制限することによって、適切な糖質の摂取量に近づきます。
糖質の摂取量が多く過体重だった人は、その制限によって体重減少などの効果も現れやすいと考えられます。
特に、夕食ではご飯が多くなりがちで、一膳にするなどの改善は有効かつ継続しやすい糖質制限であると考えられます。
また遅い時間の食事は脂肪としても蓄積しやすく、その時間の食事量を減らすことは一石二鳥になる可能性が高いのです。
‐‐‐■糖質制限のデメリット‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
糖質を3食すべてで0に近づけるような食事は最善と言えない可能性が高いのが事実です。
糖質にはエネルギーとしての役割もあることに加えて、長期間の糖質制限によって、摂取時の糖質の吸収率が上がることも指摘されています。
また、糖質制限によってタンパク質やビタミン、ミネラルなどの摂取量も減少すると、身体を作る肌や髪の毛、筋肉や骨などの減少にもつながります。
‐‐‐■糖尿病の方の糖質制限‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
糖尿病の患者さんは糖質制限を指示されていることがあります。一方で、服薬中の糖質制限は、低血糖を引き起こしたりする可能性もあります。
医師の指示に従い、正しい方法において実施する必要があります。
‐‐‐■最後に‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
糖質制限は、短期間で効果の現れやすい方法ですが、そのメリットとデメリットを理解した上で進める必要があります。また知識が少ない中で、自己流の実施は問題を引き起こす可能性や身体への負担があるため、注意が必要です。
糖質制限は現段階で、否定派と肯定派がいるのが事実。
決着が出ていないからこそ、バランスの良い基本に忠実な健康づくりがいいのではないでしょうか?
画像出典:https://www.photo-ac.com/
<執筆者紹介>
位高駿夫[博士(スポーツ健康科学)]
株式会社ハイクラス 代表取締役
大学院在学中に会社設立し、博士号の学位取得とともに会社を本格始動。
「健康づくり支援事業」「スポーツ活動支援事業」「情報発信・研究事業」を柱に、事業を展開。
企業や行政において、中高年者や高齢者に対して運動を中心とした健康づくり指導を講義や実技を通して実施。また、プログラム作りなどから助言し、効果の出る仕組みから検討している。
東海大学や法政大学でも非常勤講師として、教鞭をとりながら、研究活動も実施中。
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■協力:株式会社ハイクラス
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