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2018年7月20日 (金)

【痩せてる人も隠れ肥満かも?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

2週にわたりメタボリックシンドローム(以下、メタボ)について解説しましたが、「自分は太ってないから関係ない!」と思った人もいるのではないでしょうか?
実は、体型的には痩せている人(体重が標準範囲である人)でも脂肪が多い、「隠れ肥満」となっている可能性もあるのです。自分は肥満ではないと思っている人もこの記事で、隠れ肥満でないかを確認しましょう。

‐‐‐■隠れ肥満とは?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
現在のところ、隠れ肥満に医学的な定義や判定基準はありません。一般的に、日本における肥満はBMI(体格指数)が25以上と定義されています。
この定義における肥満では、身長から算出される体重のみで判定されるため、体重過多の要因が“脂肪が多いのか”“筋肉が多いのか”などを判別することはできません。つまり、分類上はボディービルダーも肥満に分類されてしまうのです。
一般的に大部分の肥満の人は、脂肪量が多いと推察されますが、一部には、適正体重でありながら、脂肪量が多い人もいるのです。そのような方のことを俗称として「隠れ肥満」と呼んでいます。
脂肪量が多いかどうかは、一般的に体脂肪率で判定され、男性で25%以上、女性で30%以上は脂肪過多とされています。BMIが25未満の人も、体脂肪率から隠れ肥満でないかを確認してみましょう。

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‐‐‐■隠れ肥満の危険性‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
隠れ肥満は、見た目でわかりにくく、肥満の判定では該当しないため、すぐに気付くことはできません。
しかし、隠れ肥満は見た目に表れていなくても、体内に脂肪が多くある状態です。
この脂肪が内臓に蓄積されている場合、一般的なメタボと同様に動脈硬化の危険度は高くなります。
さらに、隠れ肥満は体重が標準的でありながら脂肪量が過剰であるため、骨量や筋肉量などの除脂肪量が少ない可能性も考えられます。
筋肉が少ないことによって基礎代謝量が低下したり、骨量が少ないことによって骨折や骨粗鬆症のリスクが上がったりすることにもつながります。

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‐‐‐■隠れ肥満の主な原因は?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
隠れ肥満の主な原因を3つ、ここでは解説します。

1つ目は、栄養不足です。
たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの摂取量が十分でないと、筋肉や骨の量を維持できず、減少傾向となります。さらに、臓器の働きは低下して、脂肪は減りにくくなります。

2つ目は、運動不足です。
運動量が少ないと、筋肉量や骨量は加齢に伴い徐々に減少していきます。
維持や増加のためにも、身体に一定の負荷をかける必要があるのです。
筋肉量が少ないと基礎代謝量が低下し、1日に消費できるエネルギー量が減少するため、脂肪は蓄積しやすくなります。

3つ目は、不適切なダイエットの繰り返しです。
不適切なダイエットを行うと、期間中は除脂肪量(筋肉など)と脂肪量の両方の減少によって、体重が落ちます。
しかし、リバウンドの際の体重増加は、脂肪量の増加が中心となることが一般的です。
そのため、不適切なダイエットを長年繰り返していくことで、除脂肪量は減少し、脂肪量が増加していくのです。
不適切なダイエットをすればするほど、隠れ肥満に近づいてしまう危険性があります。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
隠れ肥満の予防も、生活習慣病などと同様に、普段の運動や食事を適切にしておくことが大切なのです。
隠れ肥満は、特に、若い女性や高齢者に多いとされており、今、体重に問題がない方こそ、確認する必要があるのです。
メタボだけでなく、隠れ肥満にまで気をつけていきましょう。

画像出典:https://www.photo-ac.com/

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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。

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■協力:株式会社ハイクラス

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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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