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2017年10月13日 (金)

【ストレッチの理論】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

多くの人がストレッチと呼んでいる運動は、正式にはストレッチングであり、『筋や腱、関節を伸ばす(伸張)運動』のことを言います。つまり、ヨガやピラティスなどもストレッチングの一つです。

ストレッチングは柔軟運動とも呼ばれるように、柔軟性を高めるために最も効果的であり、怪我や慢性痛(肩こり・腰痛など)の予防や改善などに貢献します。

ストレッチングは、ウォーキングやその他の運動などよりは強度が低いため、消費エネルギーは少ないですが、健康のためには実施する必要のある運動です。

今回はストレッチングの効果や種類について解説していきます。 

‐‐‐■柔軟性(関節可動域)の向上‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ストレッチングの最大の効果は、いわゆる「体が柔らかくなる」という状態で、科学的には「柔軟性の向上」と呼ばれています。柔軟性の向上によって、関節の動く範囲が大きくなるため、関節可動域も改善します。柔軟性が低いと、捻挫の重症化や肉離れなどのように、強い負荷がかかった時に筋や腱が損傷しやすくなります。また、硬い筋肉は、姿勢不良や血行不良の原因となり、腰痛や肩こりなどを引き起こします。
さらに最近は、柔軟性が高い人は動脈硬化度が低いことなども報告され、生活習慣病との関連性も明らかになってきているのです。
つまり、柔軟性が低いと言うことは、単に身体が硬いと言うことだけではなく、怪我や病気になりやすい状態を現わしているのです。

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‐‐‐■ストレッチングの種類‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ストレッチングには大きく2つの種類があります。

①静的ストレッチング
ストレッチングと言った時に多くの人がイメージする方法で、「反動を使わずに、筋肉を伸ばしてしばらくキープ(15~60秒)する方法」です。
静的ストレッチングには、可動域の改善や疲労回復、リラックス効果などがあり、運動後や就寝前にやるのが最適です。

②動的ストレッチング
「関節を中心に手や足を様々な方向に動かして、筋の伸び縮みを繰り返す方法」です。
動的ストレッチングには、筋温の向上や柔軟性の向上などの効果があり、運動前にウォーミングアップとして実施するとよいでしょう。また運動不足の方がちょっと動かす際もこちらを行うとよいでしょう。
伸ばしてキープする方法よりも血流が良くなり、肩こりや腰痛の予防や改善にもつながります。
ラジオ体操やサッカーのブラジル体操、マエケン体操も動的ストレッチングです。

201710132ストレッチングの種類はこれ以外にもいくつかありますが、まずは動的ストレッチングもストレッチングであることを理解して、実践するように心がけましょう。

‐‐‐■ストレッチングの効果‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ストレッチングは、実施した直後に急性的な効果として、柔軟性が向上します。しかし、その効果は一時的なもので数時間後には消失してしまいます。
そのため、慢性的な柔軟性の改善を目指すには、継続的にストレッチングを実施する必要があります。
日常的なストレッチングによって、筋肉や腱、結合組織(コラーゲンやエラスチンなど)が少しずつ伸びていきます。
さらに、筋肉や腱にある過伸長を防ぐセンサー(筋紡錘や腱紡錘)による反射も弱まるため、伸ばしやすくなり、痛みも減っていきます。
これは、毎日、熱い物触れていると、熱さに慣れてくる感覚と同じです。

運動やウォーキングを続けられる自信のない人は、オフィスや昼休みのストレッチングから始めてみてはいかがでしょうか?

写真出典: https://www.pakutaso.com/ https://www.photo-ac.com/

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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
高齢者の筋肉量減少を予防する運動教室「筋活」やウォーキング教室など、地域で運動教室の講師を多数担当中。カウンセリング形式の個別の運動指導も実施中。

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■協力:株式会社ハイクラス

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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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