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2017年8月11日 (金)

【三大栄養素-糖質と脂質について】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

今回は、三大栄養素の中の糖質(炭水化物)と脂質について解説します。
糖質も脂質も貯蓄できるエネルギーです。しかし、蓄積される量が多くなることでメタボリックシンドロームなどの健康問題が生じます。あくまでも適切な摂取量を目指すことが大切です。

‐‐‐■糖質(炭水化物)‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
炭水化物とは、厳密には、糖質と食物繊維を合わせたものを指します。
今回は主に「糖質」についてのお話をし、次々回で食物繊維についてご説明します。

糖質は身体を動かすエネルギーで、脳で使える唯一のエネルギーとされています。使われずに余った糖質は、体脂肪となって身体に蓄積されるため、食べ過ぎには要注意です。
炭水化物は、男女ともに総エネルギーに占める割合を50~65%の摂取が目標量とされています。(日本人の食事摂取基準(2015年版))。
例えば、1日の推定エネルギー必要量が2300kcalのデスクワーク中心の男性が60%を炭水化物で摂取することにした場合、炭水化物の摂取量は約340gになります。
また、女性の場合、1日2000kcalの場合には、炭水化物の摂取量は約300gになります。お茶碗にご飯100gで炭水化物37.1gですので、まずは自分の食べるご飯の量から測って、炭水化物の摂取を把握してみましょう。

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糖質の多く含まれる食品として、ごはん、パン、麺、パスタ、果物、芋(じゃが芋、里芋、さつま芋)などがあります。
近年、糖質制限に関する様々な情報が流れていますが、完全に統一された見解が得られるまでにはまだ時間がかかりそうです。
現段階で言えることは、現代人は糖質を過剰に取りすぎる傾向にあり、摂取量を減らすことで健康上のメリットを受けられる人は多いということが言えるでしょう。
そして、極端な糖質制限は、リバウンドなども考えると身体に有害な部分もありそうです。

‐‐‐■脂質‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
脂質は、貯蔵できるエネルギー以外に、身体の細胞膜の成分やホルモンの材料などとしても役立っています。また、油脂に溶ける脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収にも役立っています。
脂質は摂ってはいけない余分な栄養素と思われがちですが、身体の中で大切な役割を担っているのです。
そのため脂質は、男女ともに1日の総エネルギーの20~30%の摂取が目標量とされています(日本人の食事摂取基準(2015年版))。

しかしながら、実際には20歳以上で脂質の摂取量が30%を超えて摂取している人は、男性で約2割、女性で約3割にのぼることが報告されています(平成25年国民健康・栄養調査)。
過剰摂取になりがちな脂質は、日常のちょっとした工夫で減らすことが可能です。
例えば、
・パン食からごはん食にするよう心掛ける
・炒め物の時に使う油の量を半分にする
・蒸す、茹でるという調理法に変更する
などがあります。

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それ以外にも、摂取する油(脂)の種類にも気をつけたいところです。これについては、また別の機会に、解説できたらと思います。脂質は必要不可欠な栄養素ですが、過剰摂取に注意しましょう。

Photo<執筆者紹介>
位高駿夫[博士(スポーツ健康科学)]
企業内で研修等による中高年者の運動・健康指導を行う。大学等で教鞭をとりながら、スポーツ健康科学に関する研究も実施。
運動・スポーツを通して、全ての人の健幸に貢献する会社、株式会社ハイクラスを設立。

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■協力:株式会社ハイクラス

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