【長時間の入浴は良いの?】~専門家による健康科学情報
少しずつ気温も下がり、朝晩は少々肌寒くなる季節となってきました。
寒くなるとお風呂に浸かり、身体を温めたり、疲れを取りたくなったりすると思います。
お風呂に入るとき、長時間入った方が、「汗をいっぱいかくから痩せる」や「保湿効果がある」といったことを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか?
しかし、最近では、30分以上の長風呂はあまり美容や健康には良くないことが明らかとなってきています。
そこで今回は、長時間の入浴について解説します。
‐‐‐■長風呂が良くない理由とは?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
●脱水によるめまいなどの体調不良
長時間の入浴は、発汗により体内の水分を多く失う脱水状態となり、めまいやふらつきを引き起こす場合があります。
特に高温の場合は、血流が良くなることで脳に血流が集中することで、「のぼせ」の状態となり、吐き気なども伴う場合があります。
●乾燥
お湯に浸かっているから保湿されていると勘違いをしている方もいるかもしれません。
水道水からお湯を入れている場合(塩素が含まれている)は、皮膚表面の油分や保湿成分(セラミドなど)が流されてしまうため、乾燥しやすい状態になると言われています。
●水圧による身体への負荷
短時間の入浴は、水圧の作用がはたらき、血行が促進されるため、むくみの解消などの効果が期待できます。
しかし、長時間の入浴は、通常よりも心拍数が高い状態が続くため、心臓へ大きな負担がかかってしまいます。
そのため、リラックスどころか身体が疲れてしまいます。
また、心拍数が高い状態が続くと、交感神経が刺激され、寝つきが悪くなるなど、睡眠に影響が出ることもあります。
‐‐‐■長風呂によるダイエットの効果は期待できない‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
長時間の入浴によって、汗をたくさん出すことで脂肪が燃えていると思っている方もいるかもしれません。
入浴によって消費するエネルギーは、安静に座っているときとほとんど変わらないため、長く入浴したとしても、体重を落とす効果はあまり期待できません。
また、入浴後に体重を測ると減っている場合は、汗によって水分が失われていることがほとんどです。
入浴によって出る汗は、身体の内部が熱くなりすぎないように水分を出すことで冷やそうとするはたらきであり、脂肪が燃えているわけではありません。
よって、長時間の入浴によって汗をたくさん出すことは、体重の減少にはつながらず、身体へ大きな負担をかかるだけとなってしまいます。
‐‐‐■正しい入浴の仕方‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
入浴は10~15分程度で、身体をリラックスさせ、睡眠の質を高めるなどの効果が得られます。
どうしても長く入りたいという場合は、ぬるめのお湯で20~30分程度の半身浴であれば身体への負担も少ないでしょう。
しかし、半身浴であっても、30分以上の入浴は身体に負担がかかりますので、入りすぎに注意しましょう。
また、10~15分の入浴であっても身体から水分は出てしまいますので、脱水状態を防ぐために入浴前にコップ1杯のお水を飲むことを忘れないでください。
お風呂にテレビがついている場合やスマートフォンなどを持ち込んで動画を見るなども長風呂の原因となりますので、注意しましょう。
画像出典:
https://d1f5hsy4d47upe.cloudfront.net/4a/4a5f202719978b9e03280eb889122bd4_w.jpg
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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。
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