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2018年11月16日 (金)

【ロコモティブシンドロームとは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

今月1週目の記事では、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高くなった状態のフレイルを予防することが、健康な生活を送る上で非常に重要であることを解説しました。
また、前週は身体的なフレイルの1つであるサルコペニアを解説しましたが、もうひとつ「ロコモティブシンドローム」という重要な概念があります。

‐‐‐■ロコモの概念‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)とは、運動器障害のために移動機能の低下をきたした状態をいいます。(ロコモチャレンジ!推進協議会)運動器とは、身体の骨や関節、筋肉、神経のことを指しています。
この運動器が相互に連携することで、私たちの生活に必要な“立つ”や“歩く” などの「移動機能」が満足に行われ、自由に活動することができているのです。
しかし、日常生活における身体活動量の低下や極度な痩せや肥満などによって、運動器に障害(骨粗鬆症、変形性膝関節症など)が起こります。
運動器の障害により、移動機能の低下をきたし、要支援・要介護のリスクが高くなっている状態がロコモなのです。
実際に、ロコモに該当しているかどうかを判定する方法として、ロコモ度テストがあります。
このテストでは、該当なし、注意段階を指す「ロコモ度1」、警告段階を指す「ロコモ度2」のいずれに該当するかを判定します。

‐‐‐■ロコモ度テストによるロコモの判定方法‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ロコモ度テストは3つのテストで構成されています。
①立ち上がりテスト(下肢筋力の測定)
②2ステップテスト(歩幅の測定)
③ロコモ25(身体の痛みや日常生活に関する25問の質問)
上記の全てのテストを行い、ロコモに該当するかどうかを判定します。
例えば、立ち上がりテストでは、40㎝、30㎝、20㎝、10㎝の高さのそれぞれの椅子から片脚または両脚で立ち上がり、下肢の筋力が衰えていないかを確認するテストです。
40㎝の高さを片脚で立ち上がることができないと「ロコモ度1」に、また、20㎝の高さを両脚で立てなければ「ロコモ度2」に該当します。
まずは、一般的な椅子の高さである40㎝を、片脚で立ち上がることができるか確認するとよいでしょう。

20181116

2ステップテスト、ロコモ25に関しては、下記のURLにアクセスすると、詳しく解説してありますので、ご参照ください。
https://locomo-joa.jp/check/

‐‐‐■ロコチェックから始めましょう‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ロコモ度テストを実施するとなると、機材や安全面などを考慮しなければなりません。
そこで、ロコモ度テストよりも簡便にロコモの危険性を確認する方法として、「ロコチェック」があります。
ロコチェックでは、以下の7つの質問に回答し、1つでも当てはまると、ロコモに該当している可能性が高いです。

<ロコチェック>.
①片脚立ちで靴下がはけない
②家のなかでつまずいたりすべったりする
③階段を上がるのに手すりが必要である
④家のやや重い仕事が困難である
⑤2㎏程度の買い物をして持ち帰るのが困難である※1リットルの牛乳パック2個程度
⑥15分くらい続けて歩くことができない
⑦横断歩道を青信号で渡りきれない

あなたの周りの人がロコモになっていないかどうか、上記の質問項目からもチェックしてみてましょう。
早めの対処が、要支援・要介護状態のリスクを減らすことに繋がります。

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<執筆者紹介>
宇野真里子[健康運動指導士]
東海大学大学院体育学研究科 修士課程在学中
「健康づくり支援事業」を中心に活動。
健康運動指導士の資格を取得し、ストレッチを中心とした高齢者の運動指導を実施。大学院では研究活動を勉強し、質の高い支援を現場に提供できるように奮闘中。

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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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