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2018年9月 7日 (金)

【ウォーキングによるエネルギー消費量は?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

代表的な有酸素運動であるウォーキングは、ダイエットや健康維持などを目的として、多くの方が実施しています。しかし、ウォーキングでどれくらいのエネルギー(カロリー)を消費できるのか、知っていますか?
運動によるエネルギー消費量(消費カロリー)は、運動の強度(強さ)によって異なります。今回は、ウォーキングによるエネルギー消費量を計算できるようにしましょう。

‐‐‐■運動強度について‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ウォーキングをはじめとするすべての身体活動(運動)には、強度(強さ)があります。同じ時間運動をしても、強度によって消費できるエネルギー量は異なります。
そのため、運動(身体活動)はMETs(metabolic equivalent)という指標を用いて、どのくらいの運動強度かを表します。
METsとは、座って安静にしている状態(安静座位)を1METとし、それぞれの運動が安静座位の何倍のエネルギー消費量になるかを示す値です。
つまり、10METsの運動というと、安静に座っている時よりも10倍のエネルギーを消費する運動のことを指します。
国立健康・栄養研究所の「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」には、様々な運動(身体活動)の強度がまとめられています。
その中で、普通歩行(67m/分)は3METsとされており、安静座位の3倍エネルギーを消費します。
まずは、この運動強度を表すMETsを理解するようにしましょう。

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‐‐‐■エネルギー消費量の求め方‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
普通歩行(67m/分)は3METsですが、散歩や家の中などでゆっくり歩く場合(54m/分未満)の運動強度は2 METsとされる一方、やや速歩の場合(95~100m/分)は4.3 METsとされています。
つまり、散歩のようにゆっくり歩く時と意識して速く歩く時とでは、エネルギー消費量に約2倍の差が生じるのです。

METsを理解すると、計算式を用いて、運動によるエネルギー消費量を算出することができます(以下、計算式)。
「エネルギー消費量(kcal)=体重(kg)×運動強度(METs)×時間(h)×1.05」

‐‐‐■実際にエネルギー消費量を求めてみましょう!‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
先ほどの式を用いて実際にエネルギー消費量を計算してみましょう。
●70kgの人が40分普通歩行(3METs)した場合
→70(kg)×3(METs)×2/3(h)×1.05=147kcal
●50kgの人が20分やや速歩(4.3METs)した場合
50(kg)×4.3(METs)×1/3(h)×1.05=75.25kcal

計算の仕方を理解したら、自分の実施しているウォーキング(通勤など)のエネルギー消費量を計算してみましょう。なお、体重別のウォーキングによる30分あたりのエネルギー消費量をまとめましたので、こちらも参考にしてみてください(下表)。

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‐‐■最後に‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
実際に計算式を覚えるのは面倒だと思います。細かい数値よりも大まかにわかることも大切です。
そのため、我々運動指導者は、現場で指導する際には、「普通歩行を20分すると自分の体重と同じ数値のエネルギー消費量(kcal)になる」と覚えるように教えています。
「60kgの人は普通歩行20分で、60kcalを消費」というようにです。
10分であれば体重の半分、1時間であれば体重の3倍のエネルギー消費量になります。
これなら覚える必要もほとんどないのではないでしょうか?
運動によって消費できるエネルギー量はそれほど多くないのが実際です。
そのため、運動するだけではなく食事にも気を付けなくてはいけません。

画像出典
https://www.photo-ac.com/main/detail/1230152?title=%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A5%B3%E6%80%

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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。

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