筋肉について③筋線維のタイプ~専門家による健康科学情報
先週まではすこし細かい話で難しかったかもしれませんが、今週からは、筋肉と運動とのかかわりについて話を進めていきたいと思います。
‐‐‐■筋線維には得意不得意がある‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ダッシュが速い人、マラソンが速い人など、個人個人によって得意不得意があると思います。
実は、これには筋線維のタイプ(特徴)がかかわっているのです。
筋線維は、大きく分けると2種類あり、ダッシュや大きな力を出すことに有利な“速筋(白筋)”とマラソンなどの粘り強さに有利な“遅筋(赤筋)”があります。
お刺身で例えると、速筋はヒラメやタイなどの白身の魚、遅筋はマグロやカツオなどの赤身の魚ということになります。
もう少し突っ込んでみると、遅筋は1種類ですが、速筋は、陸上の100m走のような一瞬で大きな力発揮を得意にする(純粋な速筋)と400m走から1500m走のようなスピードと持久力のどちらも兼ね備えた中間筋(俗にいうピンク筋)があります。
一般的な人は、速筋と遅筋の割合は1:1くらいであるといわれています。
‐‐‐■持久系の筋線維とは‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
持久系に向く筋線維は、遅筋線維と言われ、Type I線維ともいわれます。
遅筋線維は、素早い収縮や大きな力を出すことには不向きですが、長時間運動するときに活躍します。
遅筋線維には、毛細血管が張り巡らされており、ミトコンドリア量が多いことで、粘り強く動き続けることに貢献しています。
‐‐‐■瞬発系の筋線維とは‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
瞬発系の競技種目に向く筋線維は速筋線維といわれ、速筋線維の中には100m走のような一瞬での力発揮を得意とする“純粋な速筋(Type IIb線維)”とスピードと持久力の両方を兼ね備えた“中間筋(Type IIa線維)”があります。
表にもそれぞれの筋線維の特徴をまとめていますが、速筋線維は素早く動くためや大きな力やパワーを出すために有利な筋線維です。
ここでよく表を見てみると、Type IIa線維は、速筋と遅筋の良いとこ取りをしたような筋線維に感じますね。
‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
筋肉は大きく分けると2種類、すこし突っ込むと3種類に分けられます。
遅筋がType I線維、速筋線維の中で純粋な速筋はType IIb線維、良いとこ取りをした中間の速筋はType IIa線維になります。
画像出典:
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<執筆者紹介>
中村智洋[博士(スポーツ健康科学)]
高校生、大学生年代の自転車競技の指導を行い、エビデンスに基づいたトレーニングを展開。現場での指導とともに、自転車競技のパフォーマンス向上に関する研究活動も実施。
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