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2019年3月 8日 (金)

筋肉について①筋肉の種類~専門家による健康科学情報

今月は、知っているようで意外と知らない“筋肉”について、解説します。
同じ筋肉でも、筋肉には種類があります。
筋肉は、大きく分けると「見た目による分類」「機能面による分類」があります。

‐‐‐■筋肉の見た目による分類‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
筋肉は、実際に見ることは難しいですが、規則正しい横紋模様(濃いところと薄いところのシマシマ模様)が見られるかどうかという見た目によって分類ができます。
横紋模様が見られる筋肉を“横紋筋”といい、それが見られない筋肉を“平滑筋”といいます。
この横紋模様は、筋肉の収縮に関係するアクチン線維とミオシン線維が規則正しく並んでいるため、シマシマ模様に見えます。
その一方で、平滑筋は、横紋模様がないために滑らかに見えます。

‐‐‐■筋肉の機能による分類‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
見た目による分類以外に、筋肉は機能面、特に自分でその筋肉を動かせるかどうか、という点で分類することもできます。
自分の意志で動かせる筋肉を“随意筋”といいます。
反対に、自分の意志で動かせない筋肉を“不随意筋”といいます。
具体例を挙げてみると、力こぶができる二の腕(上腕二頭筋)やたくましい太もも(大腿四頭筋)は、自分の意志で動かすことができるので随意筋です。
内臓のようにその時々に応じて自動的に調節されていて、自分の意志で動かすことができないので不随意筋です。

‐‐‐■筋肉は大きく3つに分類される‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
横紋模様があるかどうか、自分の意志で動かせるかどうかを含めて考えると、筋肉は以下の3つに分類されます。
① 横紋模様あり・随意筋  → 骨格筋
② 横紋模様なし・不随意筋 → 内臓筋
③ 横紋模様あり・不随意筋 → 心筋

①骨格筋は、
先ほど出てきた上腕二頭筋や大腿四頭筋といった、自分の意志で動かせる筋肉です。英語では“Skeletal muscle”といいます。


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②内臓筋は、
胃や肝臓、血管などの心臓を除く内臓の筋肉です。横紋模様がなく滑らか(スムース)に見えるため、英語では“smooth muscle”といわれています。

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③心筋は、
心臓の筋肉ですが、常に血液を全身に送り届ける必要があることから、一定のペースで収縮(心臓が拍動する)できる機能を有していながら、横紋模様もあるため、独立した種類です。

‐‐‐■まとめ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
一言で筋肉といっても、横紋筋や平滑筋、随意筋や不随意筋など、形態的や機能的な特徴により分類されます。
みなさんが一番馴染みがあって、トレーニングして鍛える筋肉は、厳密には骨格筋なのです。

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画像出典:

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<執筆者紹介>
中村智洋[博士(スポーツ健康科学)]
高校生、大学生年代の自転車競技の指導を行い、エビデンスに基づいたトレーニングを展開。現場での指導とともに、自転車競技のパフォーマンス向上に関する研究活動も実施。

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