【冬の運動には注意が必要】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報
早いもので、2019年が始まり1か月が経ちました。
年末年始で増えてしまった体重が元に戻らず、そろそろ運動をしなければと思っている人も多いのではないでしょうか?
冬場における外での運動は必ずしも、いいことばかりではありません。そこで今回は、寒い中での運動のリスクについて解説します。
‐‐‐■冬の特徴は“寒さ”‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
冬の運動で、もっとも影響を与えるのは寒さ(気温の低さ)です。
当たり前ですが、気温が低いということが、身体に大きな影響を与えます。寒さを温度差と低温の2つの側面から、考えていきましょう。
‐‐‐■温度差によるヒートショック‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
入浴時に、脱衣所と風呂場で大きな温度差がある冬場は、心筋梗塞などの危険性があることを以前、解説しました。
この状態は、ヒートショックと呼ばれ、急激に血圧が上昇することで、心筋梗塞や狭心症、脳卒中を引き起こすリスクがあります。
冬場の外での運動も同様です。暖かい部屋から寒い外に移動して、急に運動を実施することは危険です。
寒い場所では、末梢の血管が収縮するため、血圧も上昇します。加えて、運動の実施によって血圧はさらに上昇します。そのため、心臓も含めた身体への負担が大きくなります。
‐‐‐■冷えた身体は柔軟性も低下‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
冷えている身体の筋肉は、柔軟性が低下しています。
そのため、急な激しい運動は、筋肉や腱、靭帯に大きな負担をかけます。肉離れなどは、その代表的な傷害の1つです。運動不足の方は、通勤時などで走ったり、階段を駆け上がったりなどで痛めてしまうかもしれませんので、注意も必要です。
しっかりと筋肉を温める準備(ウォーミングアップ)が必要です。
呼吸や気持ちが運動の準備ができていても、筋肉などの身体が温まっていないことはよくあるものです。
‐‐‐■寒さ対策方法はたくさん!‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
決して、寒い冬に運動を実施してはいけないわけではありません。温度差や寒さに対する対策法をしっかりと取った上で実施しなければいけません。
例えば、対策法として、外では走らずに、室内を走ることも一つ有効な方法です。体育館の上などにランニングコースが設置されていることも少なくありません。
厚着や手袋など服装に注意するだけでなく、ウォーミングアップなどでしっかりと身体を温めることも大切です。
夏場に熱中症に注意するのと同じように、冬場の寒さにも注意した上で、運動を実施しましょう。
<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。
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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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