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2017年12月 8日 (金)

【アルコールが身体に及ぼす影響】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

2017年も残すところ1ヶ月を切り、忘年会など飲み会が増える季節となりました。
飲酒運転や暴力などアルコールによる社会問題は後を経ちません。それだけでなく、アルコールは摂取した人の健康を害す可能性もあります。アルコールは適切な摂取が必要ですが、なかなか学ぶ機会はありませんので、今月の連載を読んで、しっかりと理解しましょう。

‐‐‐■アルコールについて‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
高校の化学で学んだように、アルコールとは広義では、-OH(ヒドロキシ器)を持つ有機化合物のことを指し、エタノール、メタノール、イソプロパノールなど、様々な種類が存在しています。しかしながら、一般的にアルコールというと、エタノール(エチルアルコール)を指すことが多く、エタノールは、飲料や消毒など生活のいろいろな場面で用いられています。
日本では、1%以上のアルコールを含む飲料を「酒類」として定義しています。
そして、酒類は製法や性状などによって大きく4種類(発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類、混成酒類)に分類されています。
つまり、言葉上は1%未満をノンアルコールと呼ぶことに差し支えはありません。しかし、販売されているノンアルコール飲料は、0.05%以下のアルコール分を含むものを指す場合がほとんどであり、実際には0.00%に近づけるように注意がなされています。

‐‐‐■体内でのアルコールの処理‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
口から入ったアルコールは胃から約20%、小腸から約80%吸収されます。吸収されたアルコールは肝臓で「アセトアルデヒド」に分解されます。このアセトアルデヒドが2日酔いや不快な身体的症状を引き起こす原因物質とされています。
その後、アセトアルデヒドは肝臓でさらに酢酸となり、水と二酸化炭素にまで分解され、尿や汗、呼気などによって体外に排出されます。
つまり、体内でのアルコールの処理の大部分を肝臓が担っているのです。過剰な飲酒は肝臓に大きな負担となるのです。

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‐‐‐■飲み過ぎによる肝臓への影響‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
アルコールは「五臓六腑にしみわたる」といわれており、消化器障害をはじめ、心血管疾患、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、脳神経障害などさまざまな健康問題を引き起こします。その中でも、肝臓への影響は大きいとされています。
アルコールを肝臓で処理すると①脂肪の燃焼が阻害される ②アルコールが中性脂肪の原料となるという2つの反応が起きます。これによって、肝臓は脂肪の多くついた肝臓(=脂肪肝)へと変わっていきます。
脂肪肝には、アルコールの過剰摂取によるアルコール性脂肪肝もあり、1日のアルコール摂取が60g以上の場合はリスクが高いとされています。

脂肪肝が長く続き、さらに飲酒を継続する、肝臓に線維が形成されてアルコール性肝炎を経て、肝硬変や肝臓癌になります。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、脂肪肝や肝硬変でも、風邪や熱のような身体的な異常はほとんど感じられないのです。

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最近では、アルコールの過剰摂取によって脳の萎縮が進行するということも言われており、肝臓だけでなく多くの臓器に影響することが明らかにされつつあります。
健康を害すことのないように、飲酒をしましょう。

Photo<執筆者紹介>
位高駿夫[博士(スポーツ健康科学)]
企業内で研修等による中高年者の運動・健康指導を行う。大学等で教鞭をとりながら、スポーツ健康科学に関する研究も実施。
運動・スポーツを通して、全ての人の健幸に貢献する会社、株式会社ハイクラスを設立した。

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■協力:株式会社ハイクラス

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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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