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2017年9月 1日 (金)

【入浴の効果】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報

運動や栄養と並んで、健康のためには「休養」も必要です。代表的な休養は睡眠ですが、入浴も休養の1つです。レスタを利用されている方は、単に「体の汚れを落とす」というよりは、『休養』を目的としていらしている方がほとんどではないでしょうか?

今月は、「入浴の効果や効能」などを科学的に解説し、まとめていきます。

入浴については、すでに様々なことがわかっているのですが、なかなか学ぶ機会がないため、習得するチャンスです。初回の今回は、入浴中と通常の環境の違いによって働く3つの作用についてまとめました。

‐‐‐■温熱作用‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
一般的な入浴では、体温より少し温かいお湯に入ります。つまり、温度が違うだけでサウナや岩盤浴と同様に、入浴は身体を外から温める働きをしているのです。
それでは、身体が温まるとどんな良いことがあるでしょうか?
寒い時、指先や耳などの身体の末端が痛むことがあります。これは、身体の抹消の血管が縮み、血流が減り、痛みに繋がっているのです。反対に、温められることで血管は広がり、血流はよくなります。
血流が悪い部位では、老廃物や疲労物質もたまりやすくなっているので、血流の改善によって、老廃物や疲労物資がたまりやすい状態を解消することができるのです。血管拡張は、お湯の温度関係なく適応される共通の反応です。しかし、温度の違いによってその効果は変わってきますので、実際には注意も必要です。
また、ヒートショックプロテインという温められることによって働くタンパク質も発見されているので、温熱作用の効果もバカにはできません。

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‐‐‐■水圧作用‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
山頂では、ポテトチップスの袋内の空気圧が外気の圧力よりも高くなり、パンパンに膨れ上がります。同様に水の中では深くにいけばいくほど、水からの圧力が強くなり、ペットボトルも潰されてしまいます。
浴槽でも水圧は水に浸かっている部位に影響を与えています。感じてはいませんが、水中では空気中で受けられない大きな力(水圧)がかかっています。
それは、ウエストが数センチ細くなるほどといわれています。つまり、水圧によってマッサージのような効果が働いているのです。
特に、足に溜まった血液が水圧の助けによって、循環しやすくなるため、むくみの解消や足の疲労回復などの効果が期待できます。

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‐‐‐■浮力作用‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
誰もがプールなどで水に浮くという経験をしたことがあると思います。
実は、身体は沈んでいても、湯船でも浮力作用は働いています。
陸上では、どんな活動にも重力が働いていて、筋肉や関節はそれに抵抗するために働いています。
しかし、水中では重力が減るため、筋肉や関節は緊張から解放されます。
お風呂に浸かることで、体重は約10%程度になるとされています。
これは、いわゆる無重力のような状態に近づくため、心身ともにリラックス状態となります。
まさに入浴(お風呂)が休養となるのは、この浮力作用が大きな要因となっているでしょう。
なお、膝痛の方が水中ウォーキングを推奨されるのも浮力作用によって、膝や腰に負荷がかからずにウォーキング(有酸素運動)が実施できるからです。
浮力作用を利用した運動の実施も考えていきましょう。

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入浴では、普段の生活では得られない「温熱作用」「水圧作用」「浮力作用」の3つを同時に受けています。
まずは入浴することで得られるメリットをしっかりと理解しましょう。

写真出典:http://www.irasutoya.com/  http://gahag.net/

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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
高齢者の筋肉量減少を予防する運動教室「筋活」やウォーキング教室など、地域で運動教室の講師を多数担当中。カウンセリング形式の個別の運動指導も実施中。

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■協力:株式会社ハイクラス

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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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