【夕食の時間に要注意!】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報
残業後のラーメンや餃子、そしてビールはたまらなく美味しいですね。
しかし、食事の量や内容が同じでも、夜遅い時間の方が体脂肪として蓄積されやすいことを知っていますか?
‐‐‐■注意するべきなのは夕食‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
朝食や昼食後は、通勤・通学や家事・仕事などの身体活動を多く行い、食べたエネルギーを消費します。
しかし、夕食後は、テレビを見て、風呂に入って、寝る・・・というように、身体活動量が少ない時間帯になります。
1日の中で時間が遅くなればなるほど、身体活動量は減少し、体脂肪が蓄積しやすくなります。
実際、夕食の時間が20時以前と20時以降の人で比較すると、20時以降に夕食を摂る人の方がメタボリックシンドロームのリスクが高いことが明らかになっています(近藤知子ら,肥満と糖尿病,9 (2),219-222,2010)。
‐‐‐■遅い夕食が太りやすい理由‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
遅い夕食が太りやすい理由の一つに「自律神経の働き」があります。
自律神経には、身体を活発に活動させる時に働く交感神経と、身体をリラックスさせる働きのある副交感神経の2種類があります。この2つはアクセルとブレーキのような役目を担っています。
つまり、活動量が多い昼間には、交感神経が優位に働き、夜の時間帯には身体を休めようと副交感神経が優位に働きます。
夕食を摂る夜の時間は、昼間に比べて副交感神経が優位に働いている影響で、身体はリラックスした状態になり、代謝(エネルギー消費量)が低くなります。そのため、摂った夕食は体脂肪として蓄積しやすくなってしまうのです。時間が遅くなればなるほど、副交感神経の働きが高まるため、遅い夕食が太りやすい原因の一つとなっています。
‐‐‐■遅い時間の夕食の工夫‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
実際の生活では、残業等で夕食の時間が遅くなってしまうこともあるかもしれません。そのような時は、低脂肪で消化の良い食事内容にすることが大切です。
特に、たんぱく質は肉類などからの摂取を避けて、脂肪の少ない大豆製品から摂取すると良いでしょう。
また、消化しにくい食物繊維を多く含んだ野菜は、煮込んで柔らかくしてから食べましょう。
さらに、夕食を2回に分ける「分食」も遅い時間の夕食対策には有効です。
分食とは、軽い食事と捕食に分けて摂ることで、17時~18時頃に軽めの食事を摂って、夕食は通常よりも摂取量を減らして食べましょう。
ただし、1回当たりの量が多くなりすぎて、結果的に食べすぎにならないように気を付ける必要があります。
すべての食事は寝る3時間前までには済ませておくと良いです。胃の中に食べた物が残っていると、消化活動によって、睡眠の質が下がってしまいます。
夜勤の人や夜型生活を送っている方は、自身の状況に合わせた工夫が必要ですので、さらに深く考えていきましょう。
内容と量だけでなく、夕食は食べる時間も気にして、自分の健康をマネジメントしていきましょう。
写真出典:https://pixabay.com/ja/
<執筆者紹介>
井岡萌美[管理栄養士]
体育系大学を卒業後に管理栄養士を取得。運動に関する知識を有し、運動との組み合わせを意識した食事指導を実施。アスリートや特定保健指導該当者を中心に栄養指導を行う。
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■協力:株式会社ハイクラス
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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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