【冷え性(冷え症)とは?】セルフメディケーション~専門家による健康科学情報
冬になり気温が低下して、冷え性で悩んでいる人が多いのではないでしょうか?
手足の冷えがひどい、または身体の冷えによる頭痛や肩こりなどの随伴症状を有する人は、冷え性かもしれません。
今回は、寒い時期に起こりやすい悩みの1つである「冷え性」について解説していきます。
‐‐‐■冷え性の定義‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
冷え性とは、一般的に「寒冷時に四肢の末端を中心とする身体の一部に冷えを自覚し、随伴症状や生活に苦痛を感じている状態」のことです。
また、暖かい場所においても、身体の抹消体温の回復が遅く、冷えている状態も冷え性の1つと考えられています。
研究では、身体の中心部と末端部の体温差によって判定する考え方もあり、温度差が6℃近くあると、冷え性を自覚しやすいとされています。
冷え性は病気でないため、定義は明確になされておらず、客観的な指標がないのが現状です。
‐‐‐■冷え性の要因‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
冷え性の要因には、大きく分けて2つあります。
①環境的要因
多くの人が思う冷え性の要因である、外気温の低下や冷房の使用は、環境的要因に含まれます。
他にも、生活リズムの乱れやストレス、過労も冷え性の要因となります。
環境の変化に対応することは、冷え性の一番の対策になります。
②生体的要因
冷え性の要因は、身体の中にもあり、自律神経の失調や痩せ型、遺伝などがあります。
また、更年期や妊娠初期などに内分泌の機能が変化することも関係します。これは、女性特有のものであり、冷え性が男性よりも女性に多くみられる理由の1つです。
冷え性というと気温の変化を注意することに目を向けがちですが、生活習慣や体質でも冷え性になる可能性があることも覚えておきましょう。
‐‐‐■冷え性のメカニズム‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
人の体温は身体の中心部と末端で異なります。
体温は、身体の中心部では約37℃、末端では約28℃であり、中心部に近づくほど体温は高くなり、安定します。中心部の体温は、気温などの環境の変化による影響を受けにくく、身体を維持する調整機能によって保たれています。
暖かい時には末梢または皮膚表面の血管は拡張され、血流量を増やして、放熱します。
一方、寒い時には中心部の体温低下を防ぐためにそれらの血管を収縮させて熱の放散を抑えます。
この時に、手足などの末端に送られる血流量が減り、”冷え”が生じます。
これが一般的な冷え性のメカニズムとされています。
‐‐‐■最後に‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
従来、冷え性は女性の更年期障害の症状の1つであるとされてきましたが、最近では更年期以前の女性にも増加しているとされ、多くの女性がつらい冷えに悩まされています。
しかしながら、冷え性は男性でも起こります。また、加齢が大きな要因となっていることも明らかです。
冷え性を甘く見ずにしっかりと予防・対策を行い、快適な生活を送りましょう。
<執筆者紹介>
宇野真里子[健康運動指導士]
東海大学大学院体育学研究科 修士課程在学中
「健康づくり支援事業」を中心に活動。
健康運動指導士の資格を取得し、ストレッチを中心とした高齢者の運動指導を実施。大学院では研究活動を勉強し、質の高い支援を現場に提供できるように奮闘中。
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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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