【ウォーミングアップ(準備体操)はなぜ必要?】~専門家による健康科学情報

みなさんは、運動前にウォーミングアップ(準備体操)をしていますか?
おそらく学生の頃は、何か運動をする前はストレッチなどで身体を軽く動かすことが当たり前になっていたと思います。
しかし、今では運動しようと思ったときに、面倒だと思って実施しなかったり、簡単に済ませたりしていませんか?
今回はウォーミングアップの目的や効果について解説していきます。

‐‐‐■ウォーミングアップの目的とは?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ウォーミングアップは言葉の通り、身体を温める(体温を上げる)ために行い、主となる運動の前に身体の準備を整えることを目的としています。
身体の準備することで、
・パフォーマンスを最大限発揮(運動の効果を高める)させる
・ケガを予防する
・心拍数の上昇をゆるやかにし、急激な心臓への負担を軽くする
などにつながります。
アスリートなど激しい運動をする場合だけでなく、健康づくりのための運動を実施する場合でも、安全かつ効果的に行うためにウォーミングアップは欠かせません。

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‐‐‐■主運動で使う筋肉を動かそう!‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
筋肉を動かすと、熱エネルギーが発生し、体温(筋温)が上昇します。
筋温が上昇すると、筋肉により酸素を供給するために血管が拡張し、血流量を増加します。
その結果、筋肉がよりスムーズに収縮できるようになったり、関節可動域も広がったりします。
そのため、主となる運動で使う筋肉を中心に動かすことで、パフォーマンスの向上やケガの予防につながります。
例えば、ウォーキングを実施する場合、下半身であれば股関節周りの筋肉を動かすと、大股をしやすくなったり、ふくらはぎやすねの筋肉を動かすと地面を力強く蹴ってピッチを上げたりしやすくなります。

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さらに上半身であれば、肩回りを動かすと、腕が降りやすくなったり、お腹周り(体幹)を動かすと、姿勢が曲がらないように意識できたりするなど、ウォーミングアップをすることで運動の質は高まります。

‐‐‐■心拍数を意識してみましょう。‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ウォーミングアップで筋肉を動かすことと同様に重要なポイントは心拍数を少しずつ上昇させることです。
前述した通り、筋肉を動かすと血流が増えますが、それと同時に心拍数も増加します。
いきなり激しい運動をすると、急激に心拍数が上昇し、血流も増えるため、血管や心臓へ大きな負担がかかります。
そのため、安全に運動を行う場合、段階的に心拍数が上昇するようにストレッチやウォーキング(ゆっくり)など軽い運動から始めましょう。
また、高血圧や不整脈などの循環器系や呼吸器系に異常がある場合は、医者の指示に従い、運動の負荷を調整するよう、注意しましょう。

‐‐‐■最後に‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
繰り返しになりますが、ウォーミングアップは身体を温める(筋温を上げる)ことが主な目的です。
特に、寒い時期は、身体が温めるまでに時間がかかる場合ありますので、夏よりも長めに実施したり、温かい場所で実施したりすると良いでしょう。
また、筋トレやランニングなど強度の高い運動を実施する方は、低負荷な運動から始め身体をしっかり温めてから行うように心がけましょう。

画像出典:

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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。

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