【自律神経とは?】~専門家による健康科学情報

秋も深まり、紅葉の季節となりましたが、これから冬に向けてどんどん気温が下がる季節ですね。
季節の変わり目は、自律神経のバランスが乱れやすく、体調を崩しやすいと耳にすることが多くありますよね。
そこで今回は、自律神経について役割について解説します。

‐‐‐■そもそも神経とは?‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
神経とは、「中枢神経」と「末梢神経」の2種類に分けられ、情報や指令などを各器官に伝えるネットワークのようなものです。
中枢神経は脳や脊髄を指し、全身の各器官に指令を送る中心的な役割を担っています。
末梢神経はさらに「体性神経」と「自律神経」の2つに分類されます。
体性神経とは、外部からの刺激を受け取り、脳や神経に伝える感覚神経と脳や脊髄からの指令を筋肉などの器官に伝える運動神経に分かれ、このはたらきによって、自分の意思で身体を動かすことができます。
一方、自律神経は、人間の脳や内臓、血管などのはたらきを調整する神経で、自分の意思で制御することはできません。
例えば、心臓が寝ている間でも動いたり、食べたものを消化したりする機能は、自律神経のはたらきによるものです。
さらに、自律神経には、活動時に優位となる交感神経と、休息時に優位となる副交感神経の2種類に分かれます。

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‐‐‐■交感神経とは‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
仕事や運動などの身体を動かしたり、物事を考えたりする際、交感神経が優位となります。
交感神経が優位になることで、例えば、眼の瞳孔が開き、多くの情報を得られるようになったり、アドレナリンなどの神経伝達物質が分泌されることで、脳を興奮させ活発にさせたりします。
運動時は全身の筋肉へ血液を送るために心拍数の増加や血圧を上昇させ、胃や小腸などの臓器の活動を抑制させる働きがあります。
さらに、身体が寒いと感じた時に身体を温めようと鳥肌が立つのも交感神経の働きによるものです。

‐‐‐■副交感神経とは‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
副交感神経は休息時や睡眠時など、身体をリラックスする際に優位となり、交感神経とは反対のはたらきをします。
例えば、身体を休めるときは、眼の瞳孔が狭くなったり、血圧が低下したりすることで、リラックス状態となり、眠気を引き起こします。
また、副交感神経が優位となると消化活動が活発になります。食事後に眠くなるのは、このためとも言われています。
食後すぐに仕事や運動をすると交感神経が優位となってしまい、消化活動がうまく行われず、消化不良を引き起こす可能性もあるため、食後の休息は必要だとされています。

‐‐‐■季節の変わり目は寒暖差に注意‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
秋は、夏が終わり冬に向けてどんどん気温も低下していきます。
さらに、朝晩は冷え込み、日中は暖かい気候が続く1日の中でも寒暖差が激しくなる時期でもあります。
寒暖差がある場合、身体が寒いと感じると温め、暑いと感じたら冷やすように交感神経が働くことによって体温調節を行います。
しかし、体温調節が多く行われると、交感神経が優位である時間も長くなり、エネルギーも多く消費してし、疲労感を強く感じたり、自律神経の切り替えがうまくできなかったりします。

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そのため、自律神経のバランスが乱れやすく、仕事や運動など活動したい時に気分が乗らなかったり、眠くなってしまったりする場合や寝たい時に眠れない、疲れが取れないなど、身体の不調につながります。
そのほか、生活習慣の乱れや強いストレスを感じることでも自律神経のバランスが乱れますので、注意が必要です。

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<執筆者紹介>
岡本尚己[健康運動指導士]
中高年者から高齢者を中心に運動教室やカウンセリングを通して、健康づくりの指導や支援を実施中。学会発表などの研究活動も行い、健康科学に基づいた指導を追究中。

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現在レスタでは「スパでセルフメディケーション」というコンセプトのもと、よりいきいきと元気に過ごすための「ご自身による健康管理」を応援しています。
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